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第402話

聞こえてくるのは、鼻を啜る音と、小さな嗚咽。 泣いていることがわかって、一気に不安に襲われた。 「どうしたの、旭陽」 「······っん、ゆ、悠介ぇ······」 小さな震える声で名前を呼ばれて、今すぐ旭陽のもとに駆けつけて抱き締めたくなる。 「何か怖い事があった?嫌な事?」 「わ、わからん、くて······っ、なんか、急に不安になって」 電話をしながら、出かける準備をする。 終電はまだ先だったはず、時間には余裕がある。 「今から会いに行くよ。それまで我慢できる?」 「う、ん······」 電話を繋げたまま、部屋を飛び出した。会長の部屋に行き、外出届を代わりに提出してくれるように頼んで、急いで寮を出る。 「お婆さん達は?」 「おるよ」 なら、1人が寂しいってわけじゃないのかな。 ただ、本当に突然不安になった。 タクシーを拾い、駅まで乗せてもらって、今度は電車を待つ。 「もうちょっとで着くからね、安心してね。」 「······ごめんね」 「謝らないでよ。俺も旭陽に会いたくて仕方なかったんだから。」 そう言うと、また旭陽は小さく声を漏らして泣き出した。 本当に、どうしたんだろう。 思い当たるのは、妊娠の件でのプレッシャーで心が疲れてしまったのかもしれないということ。 「旭陽、俺が着くまで寝てていいよ。何も考えないで、ベッドに寝転んでるだけでもいいから。」 「ん······っ」 「大丈夫だよ。すぐに会いに行く。」 「俺······駅まで迎えに行く」 そう言う旭陽に「ダメ」と少し強めに伝える。 「何でぇ」 「襲われたらどうするの。直ぐに着くから。······旭陽ごめん、電車が来たから電話切るね。駅に着いたらまた電話する。それまで待ってて」 渋々というように「うん」と返事をくれた旭陽。電話を切ってやってきた電車に乗り込んだ。

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