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第409話

旭陽と話をしてから、母さんに電話をした。妊娠したことを報告すれば「そう」とだけ言葉を返された。 「お母さん、何て?」 「あー······、そう、って」 嘘でもおめでとうって言っていたと言えればいいけど、旭陽ももう俺の母さんがそういう事を言う人間じゃないとわかってる。 「無事に産まれるまで、喜んではくれないやろうね。」 「うん······ごめんね。俺の家族のことは気にしなくていいからね。」 「元からあんま気にしてへん」 旭陽はそう言ったけど、表情は少し暗い。 気にしてないなんて嘘だってわかってる。 「あ、そうだ!そう言えば······旭陽には言ってなかったんだけど、会長には俺達のこと相談してたんだ。だから······会長に報告してもいい?」 「あ······うん。」 「テレビ電話しーよう!」 話を変えた俺とそれに付き合ってくれた旭陽。スマートフォンを出して、会長にテレビ電話をかける。 「高良?何でテレビ電話?」 すぐに電話に出た会長。会長の整った顔が画面に映された。 「会長ー!報告があるんだ!」 「報告?大切な話か?千紘も呼ぶか?」 「千紘ちゃんもいるの?うん、呼んで!」 旭陽が画面を覗き込む。 ちょうど千紘ちゃんが画面を覗き込んできて「高良先輩に旭陽先輩!」と笑顔で名前を呼んでくれる。 「旭陽先輩久しぶりですね!元気ですか?」 「千紘やん。俺は元気やで。千紘も元気?」 「すごい元気!」 旭陽が千紘ちゃんを見てにこにこしてる。会話をする2人の様子に癒されていたけれど、話したいことがあるんだった。 「旭陽、そろそろ伝えようよ。」 「あ、忘れとった。ほんまやね」 えへへ、と笑った旭陽が「あんな」と画面に向かって話す。 「妊娠した。」 「······えっ!?」 ワンテンポ遅れて、千紘ちゃんの驚いた声が聞こえてきた。 「楠本さん、それは本当か!?」 「っほ、ほんまやで」 会長の大きな声と勢いに驚いてる旭陽も、前のめりになって返事をする。 少しの間沈黙が走って、かと思えばまた大きな声が聞こえだした。 「おめでとう!!旭陽先輩も高良先輩もおめでとうございます!!」 「ああ、よかった······安心した。楠本さん、高良、おめでとうございます。」 そのまま、千紘ちゃんは画面の向こうで泣き始めて、もらい泣きをした旭陽もグズグズになりながら、与えられる言葉に頷いたりして返事をしていた。

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