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第412話

俺達はすぐに自分達の部屋に戻った。 偉成とくっついて、高良先輩と旭陽先輩に赤ちゃんができたのが嬉しいと長い間話す俺。偉成は鬱陶しい顔一つせずにずっと聞いてくれる。 「きっと可愛いんだろうなぁ。高良先輩は絶対に甘やかすと思うんだ、俺。」 「そうだな。楠本さんが叱っても、高良が庇うんだろうな。」 「ふふっ、2人を想像したら楽しいね」 勝手にイメージをして楽しむ。自然と口元が緩んで、口角が上がる。 「そろそろ風呂に入ろう。」 「あ、そうだね。」 時間は夜の9時を過ぎた頃。着替えを用意して風呂場に行く。 「明日は······あー、明日も学校だぁ······」 「嫌なのか?」 「うーん、学校がって言うか······勉強が?」 「そういう割に成績は伸びてるんだろう?中間テストも良かったじゃないか」 そう言われたけど、勉強は好きではないからなんとも言えない顔で偉成を見る。 髪と体を洗い、湯船に浸かった。 「しなきゃいけない勉強と、したい勉強とが必ずしも一致しないのは何でかなぁ。」 「また難しいことを考えてるんだな。」 「難しいことっていうか······普通に、疑問に感じない?」 「俺はそんなこと考えたことがないな。今してる勉強だって、将来きっと使うから、やりたい勉強でももしかしたら使うのかもしれないだろ?」 偉成の言葉は妙に説得力があった。確かにそうだなと思って頷く。全てを洗い終わった偉成が浴槽に入ってきて、2人でゆっくりと温まる。 「で?千紘のしたい勉強って何だ?」 「え、無いよそんなの。例えばの話」 「そうなのか?俺は千紘がしたいことがあるから嘆いているのかと······」 「嘆いてもないけどね」 そうか、と言った偉成は俺のお腹に腕を回してピタリとくっついた。

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