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第433話 偉成side
まだ寝惚けてる千紘。俺の膝の上に座り、肩に頬を付けてむにゃむにゃと何かを話している。
「何?何て言った?」
「······そろそろ起きる」
「ああ、そうしてくれ。」
背中を撫でるとゆっくり俺から体を離して、至近距離で見つめ合う。
「わあ、格好いい。」
「千紘は可愛いぞ。ほら、帰ろう。」
膝から降りた千紘は、荷物を持って部屋を出ようとする。
「あれ、皆居ない。」
「もう帰ったよ。俺達が最後。」
「ふーん。······ふたりきりだね。」
振り返った千紘が、少し妖しい表情で笑った。ドキッとして俺もぎこちなく微笑む。
「そうだな」
「偉成、この生徒会室にさ、思い出残したいね。俺と偉成だけの。」
「······それはどういう──」
突然千紘にキスをされて、言葉を塞がれる。
唇が離れると、鼻が触れるほどの距離で千紘が俺を目をじっと見た。
「偉成は、もう少しでいなくなっちゃうから。」
俺の手を引っ張り、部屋を出た千紘は、生徒会室の鍵を閉めに行き、戻ってきた。
「千紘?」
「誰もいないし、鍵は閉めた。」
「ああ、そうだな。······もしかして、ここでするのか?」
「正解!」
千紘は笑って抱きついてくる。
本気か?と思って固まっていると、もう1度キスをされた。
「ダメ?」
「だ、ダメじゃない······」
見上げてくる顔が可愛くて思わずそう言ってしまう。
「やった!」
そのまま止めることも出来ずに、簡単に流された。
さっき高良が言っていた通りになったな······と思いながら、千紘を抱き締め、行為に集中することにした。
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