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第451話
放課後、とりあえず会長からノートを見せてもらって、それを写真に撮って旭陽の待つ家に帰る。
家に着いて旭陽の部屋を覗くと、昼寝をしていた。お腹を出していたから慌てて布団を掛ける。
「ん······」
「可愛い」
旭陽が寝ていたベッドの縁に腰掛け、髪をそっと撫でる。
「ただいま」
むにゃむにゃと動く唇。ちゅっとキスをすると、旭陽の目がゆっくり開いた。
「······お姫様みたいだね」
キスで目覚めるなんて。
まるで眠り姫だ。
「おはよう、旭陽。ただいま」
「おかえり。······何で、お姫様?」
「ん?キスしたら旭陽が起きたんだよ。」
そう言うと旭陽が体を起こして、俺にもたれかかった。
「やったら、悠介は王子様やね。」
「······まだ眠たいのかな?」
「何でそんなん言うの」
「だって······普段はそんなこと言わないじゃん。可愛い。」
肩を掴み、頬にキスをする。
「学校、どうやった?」
「んー、いつも通り。」
「勉強は大丈夫?」
「うん。後ろの席が会長だし、わからない所は教えてくれるからね。」
旭陽の少し寝癖のついた髪を梳きながらそんな会話をする。
「お爺ちゃんとお婆ちゃんは?」
「ん?見てないけど······。そう言えば靴も無かったよ。どこかに出かけたのかな。」
「ふーん。でももう夕方やからご飯作らなね。あ······俺こんな時間に寝てもうて、夜寝れんかったらどうしよ。」
「俺も一緒に起きておくから大丈夫だよ。」
立ち上がった旭陽とキッチンに移動して、晩ご飯は何にしようかと冷蔵庫を開ける。
「置き手紙あるやん!」
「え、何て書いてある?」
テーブルを見た旭陽が一枚の紙を持ってきた。
「帰るの遅なるって。起こすのは悪かったからって。」
「そう。ならご飯は用意しなくていいのかな。」
「そうやと思う」
今日の旭陽は調子がいいみたいだ。
いつもより笑顔を見せてくれるから、すごく安心した。
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