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第452話 千紘side
ある日から突然、匡と優生君の様子がおかしくなった。
どこかぎこちない様子の2人。
喧嘩をしてるのかなと思ったけど、学校では普通に話しはしているし、そういう訳では無いみたい。
気付かないふりをして放課後まで過ごし、生徒会室に匡と移動した。
それから、気になっていたことを聞く。
「匡」
「何」
「あの······優生君と何かあった?」
生徒会室にいた他の誰にも聞かれないように静かな声で。
「別に、何も無い。」
「そう?その割には······ちょっと距離があるように見えた。」
「まあそうだろうな。俺は優生の事を考えるべきなんだろうけど、それに疲れた。だから今はあんまり考えないようにしてる。」
匡の発言に驚いて軽く目を見開いた。
「疲れたって······大丈夫?匡は優しいから、1人で抱えすぎてるんじゃない?」
「そんなことない。兄貴には話してるし」
「そう。それならいいんだけど······」
いつもより覇気のない匡の顔。偉成に話をしているなら大丈夫だろうと勝手に思って、それ以上の詮索はやめた。
詮索しすぎてうざがられるのも嫌だし。
「なあ千紘」
「ん?何?」
何もせずにぼんやりしてると、同じくぼんやりしていた匡が声をかけてきた。
「兄貴と考えが一致しない時、どうしてる。」
「え······えっと、話し合いしてる、かな?」
「それで解決するか?どちらも妥協せずに上手い方法が見つけ出せるか?」
「それは、わからないけど······。」
そう聞かれると、素直に頷けない。
俺は妥協しないけど、もしかしたら偉成はそうかもしれないから。
「俺は妥協してない」
「兄貴は?」
「······俺にはわからないよ。偉成の考えは偉成に聞いて。」
ごめんね、と謝る。
匡は「いや······」と言って、話すのをやめた。
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