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第453話

匡とは少し気まずいまま生徒会が終わり、寮に帰ってきた。 偉成はいつも通りで、ご飯を作り食事をして、俺と一緒に風呂に入ると、俺を抱きしめて湯船に浸かる。 「千紘はまた何か悩んでいるのか。聞いてもいいことか?」 「······匡の様子が変だった。というか優生君と匡の様子が。いつもより距離があって、お互いが遠慮してる感じで······。」 「千紘は他人の事を真剣に悩めるから優しいな。」 「もう。そんな話じゃなくて······」 真剣に悩んでいるのに。 「匡なら大丈夫だ。あいつは間違ったことはしない。」 「······別に匡が間違ってるとは言ってない。」 偉成に凭れて目を閉じる。 「寝るなよ。」 「偉成?」 「何だ」 頬にキスされる。けれどそのまま無視をして言葉を続けた。 「偉成は、いつも妥協してる?」 「何の話だ」 「俺と喧嘩した時、俺ばかりの意見を押し付けて偉成は自分の思いを我慢してたんじゃないかなぁって思って。」 匡に言われて気付いたこと。 その疑問の答えは偉成しかしらない。 「我慢か。そんなにしてないけどな。」 「本当?」 「本当。さあ、そろそろあがろうか。暑くなってきた」 目を開けて、動き出した偉成についてお風呂から上がる。 「もし我慢してたなら言ってね。」 「してないから安心しろ。」 ちゅ、っと唇に触れるだけのキスをされる。 体を拭いて服を着て、クーラーのかかる涼しいリビングに移動した。

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