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第482話
話が終わると優生君も匡も何も言うことなく、俺を見た。
「千紘君は寂しかったんだね」
「······うん」
「千紘の事を考えているにしても、先に決めるんじゃなくてまずは話してほしかったんだよな。」
優生君と匡に優しくされると、涙がポロッと零れた。
「落ち着くまで別の教室行くか。」
「そうだね」
2人に連れられて、空き教室に移動した。
椅子に座って泣く俺の背中を、優生君が撫でてくれる。
「千紘は子供が欲しいのか」
「······そりゃあ、偉成との子供はすごく欲しい。けど偉成のしたい事を止められないから、それは我慢するよ。ただ俺は······」
「千紘君、大丈夫だよ、泣かないで。······ねえ匡君。僕思うんだけど、2人が上手く話せないなら誰かが手伝ってあげるべきだと思うんだ。」
優生君が匡を見てそう言うと、匡は「俺か?」と自分を指さす。
「うん。だって匡君と会長さんは兄弟でしょ。でも千紘君とは親友だから、きっと上手く話が出来ると思う。」
「······千紘がそれでいいなら俺から話してみるけど、俺達が話している時に千紘もいてくれるか?俺が間違って解釈していたら元も子もないから。」
俺の顔を軽く覗き込み「できるか?」と聞く匡に頷いた。
「ただな、千紘。俺は兄貴の考えも理解出来る。だから兄貴を一方的に責めるようなことはしない。それは分かっていてくれ。」
「う、ん······。迷惑ばかりかけてごめんね、2人とも······」
2人は首を左右に振って、その後も俺の涙が止まるまで一緒に待っていてくれた。
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