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第483話
放課後になった。
生徒会に向かわないといけないけど、行きたくなくて教室で優生君と匡と一緒にいた。
「俺から伝えておこうか?千紘は今日は休むって。」
「······でも、どうせ寮で偉成と会う」
「いきなり2人きりになるより、他の人もいる時にちょっとだけでも話している方が気持ちは楽かもよ?」
俯いてどうしようと悩んでいると「お前達、何してるんだ。」と教室に声が響いた。
驚いて顔を上げると東條先輩がいて、呆れた表情で俺達を見ている。
「生徒会はもう始まってるぞ。······松舞は体調が悪いのか?」
「ぁ······いえ、そういうわけじゃ、なくて」
「ならどうした。他のメンバーはお前達が来ないからと心配してたぞ。」
東條先輩にするような話じゃないから、何も言い訳できずにゆっくり立ち上がった。
「千紘君、行ける?」
「······行ってくる。ごめんね」
「いいよ。何かあったら電話して!」
「ありがとう」
東條先輩と匡と一緒に教室を出て、生徒会室に向かう。その足取りは重い。
「喧嘩しちゃったらどうしよう」
「それは無いと思うけどな」
「何で?偉成も怒ってるかも。俺が聞く耳持たないから」
「怒るより、不安になってると思う。」
生徒会室について東條先輩がドアを開ける。
ゾロゾロと中に入ると、高梨先輩に「遅い」と怒られた。
「千紘ちゃん達が遅れるなんて珍しいねぇ。何か嫌なことでもあったの?俺に話してみなさいよ、直ぐに解決してあげるよ。」
「何で高良先輩がいるんだよ。今日は楠本さんはいいのか?」
「旭陽にちゃんと生徒会してきなさいって怒られたんだよねぇ。俺は1分でも1秒でも長く旭陽と一緒にいたいのに」
生徒会長の使う机の席に座っていた偉成を見ることなく、高良先輩の隣に腰を下ろす。
「わあ、可愛い。そうだな······警戒心の強いチワワがやっと懐いて甘えてきたって感じ。」
「······俺はチワワじゃないよ」
「わかってるよ。どうしたの?今日は機嫌が悪いの?」
「ううん」
久々に話す高良先輩。
なんだかすごく落ち着く。
「旭陽先輩は元気ですか?」
「うん、元気だよ。ちょっとお腹が膨らんだかなぁって感じ。」
高良先輩が旭陽先輩の事を沢山話してくれるから、久しぶりに旭陽先輩にも会いたいなぁと思った。
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