492 / 876
第492話
「偉成はお風呂入ったの?」
「ああ。だからこれが終わって歯磨きしたら一緒に寝る」
「シーツ替えないといけないや。汗かいちゃったから」
「わかった。千紘が歯磨きしている間に替えておく」
下半身は自分で拭くと言うから、タオルを持たせて洗面所に移動させる。
「拭いて、歯磨きして、戻っておいで。シーツ替えておくから。戻ってくるのが辛かったら待っててくれ。」
「わかった。ありがとう」
俺は急いで寝室に戻りシーツを替えた。
なんだか体が疲れてしまって、そのままベッドに体を伏せる。
「······千紘のところに行かないと」
明日はちゃんと登校できるだろうか。
もし千紘が少しでも辛いなら、休ませてやらないと。
匡達から預かった千紘のプリントは明日の朝渡せばいいか。
体を起こして洗面所に行く。
千紘は歯を磨いていて、俺も一緒に磨くことにした。
それが終わるとトイレに行って用を足し、ベッドに戻る。
「偉成」
ぐっと体を密着させ俺の胸に手を当てて甘えてくる千紘。頬を撫でて触れるだけのキスをする。
「風邪うつるよ」
「なんでもいい。今日は1度もこう出来なかったから、実は寂しかった。」
「······俺も」
千紘を抱きしめて目を閉じる。
もう1度、唇に柔らかい感触がして、それを最後に眠りに落ちた。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!