502 / 876

第502話

目を覚ますと朝の5時だった。 隣では偉成がぐっすり眠っている。 そういえば昨日の途中からの記憶が無い。 チュっと触れるだけのキスをしてだるい体を起こすと手首を掴まれて驚いた。 「偉成?起きてるの?」 「······ん」 「お風呂入ってくる」 裸のままだ。ちょっと体が冷えてる気もする。 お風呂を沸かそうかな。 「よいしょ······っと、うわっ!」 ベッドから降りようとすると、お腹に偉成の腕が回される。 その腕に触れて「離して」って言うと、腰に偉成の頭が触れる。 「お風呂入りたいんだけど?」 「······うん」 頭を撫でると、偉成は顔を上げて俺をちらっと見た。 「俺も入る······」 「じゃあ起きて」 「······昨日激しくしたのに何でそんなにピンピンしてるんだ。もしかして足りなかったのか。いや······でも昨日千紘は失神したぞ。」 なんとか偉成を引き離して、落ちていた下着を履き、風呂場に移動する。 お尻の違和感がひどい。 浴槽を洗って、お風呂を沸かして、少ししてから2人で入った。 「朝からゆっくりお風呂に入るなんて贅沢だね」 「そうだな。でもたまにはいい」 ゆっくりお風呂を楽しんで、その後もゆっくりご飯を食べて、準備を済ませ、いつもの時間通りに寮を出る。 「今日も生徒会に来るの?」 「時間に余裕があれば行く。毎日行けたらいいんだけどな······」 「ううん、偉成は受験生だし、気にしなくていいんだよ。たまに来てくれるだけで嬉しいよ。」 頬にキスをすると、抱きしめられて動けなくなる。 いつも通りの時間に出たのに遅刻しちゃったらどうしようと、内心ちょっと焦った。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!