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第505話

食事をしてお風呂に入り、すぐに眠った。 何度もそういう雰囲気を醸し出してベッドに誘ってきた偉成だけど丁重にお断りした。 だから一応の保険で今日俺はソファーで1人で寝ることに。 偉成は「それなら俺がソファーで!」と言っていたし、すごく寂しそうにしてたけど、それも振り切った。 明日は偉成にとって最後の文化祭だから、2人で思い切り楽しみたい。 そう思ってソファーに寝転んで数分で夢に落ちた俺だけれど、朝起きるとソファーじゃなくてベッドに居た。 しかも偉成に抱きしめられていて、目を開けている綺麗な顔が真横にあって数秒見つめ合う。 「······何でここに」 「何でもいいじゃないか。おはよう、千紘。」 「俺はソファーで寝たのに」 顔中に唇が触れてくる。 徐々に覚醒させられていくようなそんな感覚。 カーテンの隙間から漏れる光が眩しい。 「何でここに」 もう1度同じ質問をすると、偉成は笑って俺の頬を撫でた。 「昨日トイレか、喉が渇いたのかで1度起きたんだろうな。寝惚けてベッドに潜り込んできた。」 「······え」 「突然来たかと思えば、狭いからもっと端っこに行ってって言われてな。あまりに可愛くて抱きしめて寝てしまった。」 そこは怒るところじゃないのか。 不思議に思いながら、体を起こす。 「あ、文化祭······」 「ああ。準備しないとな。」 起き上がった偉成は、また俺を抱きしめたかと思うと、頭を優しく撫でられて、ついつい肩に頬をつけて体から力を抜く。 すると偉成の手が止まり、優しい声で耳元で囁いてくる。 「今日の夜、千紘にたくさん触りたい。」 朝からドキッとして、顔を上げる。 夜になればもうしばらくは何もしなくていい。 それに、文化祭さえ終わればまだ来ていない発情期が来てもなんの問題もない。 了承の意味を込めて、偉成の首に腕を回す。 「発情期、誘発しちゃう?」 「······千紘がいいなら」 唇を合わせて、ベッドから抜けた。

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