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第506話
お互いのクラスでやる模擬店の担当時間以外は偉成と過ごす。
それを楽しみに教室に登校すると、すでに殆どのクラスメイトが集まっていて、匡と優生君もそこにいた。
「おはよう!」
「あ、おはよう千紘君。」
「おはよう千紘」
優生君は椅子に座って、シャツのボタンを1番上まで止めているけど、首筋に隠せていない1つキスマークを見つけて、そのまま匡を見る。
「可愛いだろ」
「······気付いてないの?」
「え?2人とも何の話?」
匡が満足そうな顔をしているから、何だか少しだけムカッとして、優生君の首を指さす。
「昨日は眠れた?」
「っ!!」
優生君は顔を真っ赤にして首を手で隠した。
匡は俺を見て「おい」と言い、優生君を背中に隠す。
「そんなあからさまに言ったって面白くないだろ。」
「だって······俺だって我慢してるのに。」
昨日からさも余裕があるかのように振舞っているけど、本当は俺も偉成不足だ。
アルファみたいにそれが全面に出るわけじゃないし、我慢できるけど、本音を言えば触ってもらいたい。
今朝の感じは最高によかった。
「俺の担当何時だっけ。早く偉成と文化祭回りたい。」
「9時から11時だろ。俺達全員。」
今回は去年みたいに文化祭の途中で発情期が起こる気もしないし、何事も無く終わって欲しい。
「準備しよう」
優生君がフラフラと立ち上がる。
匡がすぐに支えていた。
移動して、準備をする。
今年もうちはカフェをするらしい。それを知ったのは生徒会での資料を見た時だった。
「頑張ろう」
思い切り楽しまなきゃ。
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