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第532話
「相談って何だ」
「ねえねえ、まずは偉成君の番の人について教えてよ」
「千紘について?」
不思議に思いながら千紘の事を話した。
宮間は嬉嬉としてその話を聞いている。
大体の紹介が終わると、いきなり手を掴まれ眉間に皺が寄る。
「ねえ偉成君。俺は元々君の番を君から引き離して俺が君の番になってやろうって思ってたんやけど、あのパーティーで千紘君が具合悪そうに君に抱き着いていて、君が優しい表情で千紘君を撫でてあげていたのを見た時に、物凄く······そう、今まで無いくらいに興奮した。」
「······は?」
何の話をしているのかさっぱりわからない。
結局のところ何が言いたいんだ。
興奮したと言いながら手に力が込められて正直恐怖を感じてる。
「お、おい、落ち着け······」
「やから君達番を引き離すのはやめた。じゃあ何で俺が偉成君にまとわりついてるのかと言うと、それは嫉妬で怒った千紘君がどうやって偉成君に言いよって、最後はどうして仲直りするのかが見たい!」
「······随分変わった性癖だな」
「自分でもそう思う。」
呆れてしまって上手く考えられない。
とどのつまり、宮間は千紘の色んな表情が見たいということなのだろうか。
「お前は千紘が好きなのか」
「それは誤解。千紘君を心底愛してる偉成君と、それを理解してて、君と同じくらい偉成君を好きな千紘君が好き。」
「······ややこしい」
「つまり2人が揃わないと満足しないってこと。」
頭を抱えたくなる。
自分の性癖を満たすために俺と千紘の仲を······
「今すぐ千紘に謝りに行こう」
「え!それはダメ!クライマックスは明日!」
「この下らない話には台本でもあるのか!?」
「あるに決まってる!明日は千紘君が帰ってきたその目の前で俺らがキスすんねん。あ、もちろんフリな。」
溜まっていた不満が爆発して、思わず宮間の頭を叩いた。
「いったぁっ!!」
「例えフリでも千紘を悲しませるようなことはしたくない!ただでさえ俺は千紘を傷つけてしまってるんだ。お前と部屋で話していた事も千紘には説明できてないんだぞ!」
「え、説明してないん?」
「理解できなかったからな!不法侵入してまで部屋で話した内容は"協力者になってくれ"だっただろ!」
あの日、宮間が部屋に上がってきて話したのは本当にたったそれだけ。
協力者になってくれ、なんて、一体何のなのか理解できなかった。
しかもわざわざ転校してきてだ。何がしたいのか全くわからなくて千紘に説明できなかった。
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