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第547話 偉成side

千紘の隣に寝転び、そっと抱きしめる。 俺の頬を撫でると顔を近づけて、首筋にキスをされる。小さな痛みが走りキスマークが着けられたことがわかり、かと思えば結構な力で噛みつかれた。 「いっ!」 「お水飲みたい」 「あ、ああ、わかった」 キッチンまで行って水を持ってくると、千紘はガブガブと水を飲んでベッドにぐったりと横たわる。 「偉成、抱きしめて」 「うん」 俺も水を飲んでから、千紘を抱きしめてまだ少し昂る体を落ち着ける。 「今回の発情期もいつもの様に波があるものなんだろうか。それとも、落ち着けばそれで終わるのか······」 もし後者なら、千紘の発情はこれで終わるのかもしれない。 「俺が安心したら治まるって言ってたもんね。」 「······安心、できているか?」 終わるということは、安心できているということ。 不安になって聞くと、優しい目が俺を見る。 「うん。勘違いして勝手に傷ついて、偉成を困らせてごめんね。」 「勘違いさせるようなことをしたのは俺だ。······本当に悪かったと思ってる。でも誰よりも千紘を愛してるってことは信じてほしい。」 素直な想いを伝える。 また柔くキスをされて、離れた千紘は小さく頷く。 「俺も、偉成のことを誰よりも愛してる。」 そして千紘はそのまま目を閉じて、穏やかな眠りについた。 布団を掛け直し、俺も目を閉じる。 少し休憩して、昼過ぎには起きよう。 そしたらご飯を食べて、発情が来なければゆっくり過ごそう。

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