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第555話

「俺は邪魔らしいから帰る。」 「ああ。早く帰れ。」 偉成が帰っていき、俺と真緒のふたりきりに。 俺の部屋でやけに緊張してる真緒。それがどうしても不思議に思う。 「真緒?」 「っ!な、何?」 「いや······」 どうしたんだろう。と考えてやっと気がついた。 そうだ。今この部屋では俺と真緒のふたりきりなんだ。 そう自覚した途端俺も緊張してしまって、けれどそれを振り払うために思い切ってソファーに座る真緒の隣に行き、強く抱き締めた。 「誉君!?」 「······緊張する」 けれどやっぱりドキドキが止まらなくて、真緒を抱き締めたまま動けない。 「あの、誉君······」 「何」 「······キス、したいです」 思わず動きを止める。 ······そう言えば俺たち、あの夏祭りにして以来、キスも何もしていない。 これは一大事だと思って体を離し、真緒の頬に触れる。 「あ······誉、君······」 「目閉じて」 恥ずかしいから見られたくない。 真緒が目を閉じて、それと同時に顔を近づけキスをする。 体が痺れるように気持ちよくて、ついつい何度もキスを繰り返す。 堪らなくなって、真緒を押し倒し、無理矢理口を開かせて舌を絡める。 「······っ、は、ぁ」 「真緒······」 キスをする度に『好き』が倍増する。 真緒の腕が首に回り、夢中になって唇を貪る。 唇を離すと、真緒が真っ赤な顔で小さく開いた口から飲み込めない涎を垂らしている。 そしてふんわりと甘い香りがした。 「ぁ······誉君······」 蕩けた目に見られて、熱が上がる。 思わず真緒の服の中に手を入れ、素肌を撫でると、真緒は焦った様子で飛び起きて、ソファーから落ちるように俺から離れていった。 「真緒っ」 「だめっ!」 それを追いかけようとすると強い言葉で制止される。 ピタッと体を止め、少し冷静になって真緒を見ると、目に涙を貯めていてすぐに後悔した。 「ご、めん······」 謝罪の言葉が零れ落ちていく。

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