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第608話 R18
「っ、痛く、しないで······」
泰介は泣きながらそう言って、首輪をベッドに落とした。
俺はすぐに項に顔を寄せて、何度もそこに舌を這わせる。
「あっ、あ、はぁ······っ」
舐める度に内壁が収縮して、泰介が甘い息を吐く。
「泰介、ごめんな」
「え······?っ、あぁ!」
ギリギリまで抜いて、奥まで一突きにする。
それを繰り返すとすぐに泰介が達しそうになって、ギュゥゥっと中が締まった瞬間に項に噛み付いた。
「あぁぁぁっ!!」
「──ッッ!」
ドプドプとゴムの中で射精して、ゆっくりペニスを抜く。
発情期を抑えるには、アルファの精液を体内に入れればいいんだっけ。
そう思いながらゴムを取ったペニスを軽く扱き、手についたそれを指で掬って泰介の口元に持っていく。
「泰介、これ舐めて」
「············」
「え、気絶してる······?」
顔を覗き込めば目を閉じていて、体はまだ痙攣してるけれど、四肢は投げ出されたまま。
「······体、拭いてやらないと」
フラフラ立ち上がり、タオルとお湯を用意して寝室に戻る。
泰介の体を丁寧に拭いて、ベトベトになったベッドからソファーに運び、涙の跡が残る頬に触れた。
「······ごめん」
こんなクソみたいな男の番にされるなんて。
せめて泰介が傷つかないようにしてやらないと。
心の中で、泰介と真緒に何度も謝った。
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