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第617話

いつの間にか意識を失っていたみたいだ。 目を覚ますと、優しい表情で偉成が俺を見ていた。 少し恥ずかしくて、両手で顔を覆って隠す。 「おはよう、千紘」 「······おはよう。そんなに見ないで」 「可愛くて、ついな。」 手を取られて、頬にキスされる。 俺もついつい偉成相手となると甘くなっちゃう。 偉成もそれをわかってて、俺に甘えるようなことを言うからずるい。 「千紘、もっとキスしたいからこっち向いて。」 「······もう」 そんなお願いされて聞かないわけがない。 体ごと顔を偉成の方に向けると、激しく求められるようなキスをされた。 ちょっと息が苦しくなるのが気持ちいい。 「ちなみに今は夜の7時だぞ」 「はっ!?晩御飯の準備してない!!お風呂も入ってないし明日の課題も!!」 「安心しろ。ご飯は準備してるし、お風呂は沸かしてあるからすぐに入れる。明日の課題は今から一緒にやろう。」 そっと体を起こし、抱っこされてお風呂場に移動する。 髪と体を洗いっこして、すぐに濡れた髪を乾かしその後はご飯を食べた。 「偉成の勉強は?今日はもう終わり?」 「うん。もう終わりにする。千紘の課題は手伝うよ」 「ありがとう」 こんなに甘えてていいのだろうか。 わからないけど、偉成の表情はすごく幸せそうだし、匂いだってそうだから、まあ、いいんだろう。 「千紘は俺の膝に座るんだぞ」 「座りません」 「······勉強が捗ると思う」 「硬いからお尻が痛くなっちゃう」 シーン、と沈黙が走る。 偉成はふっと笑って、俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。

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