638 / 876

第638話 R18

「我慢するな。誰も聞いてないから大丈夫」 「っ、誉君が聞いてるっ!」 「そりゃあ聞くだろ」 おざなりに体を拭いてベッドに寝かされる。 髪を乾かしてないから濡れちゃうと思って、焦って体を起こすと、肩を押して倒された。 「髪乾かしてない」 「良いよ。······いや、良くないな。ぶり返すかもしれない」 今度は俺の体を手を引っ張って起こして、急いで髪をタオルで拭かれたかと思うとドライヤーを使って、丁寧に乾かされる。 「眠たい······」 「絶対に寝るな」 確かに、今ここで寝るなんて酷すぎると思う。 必死になって目をこじ開けて、ドライヤーの音が止む。髪を梳かれて振り返れば目の前に格好いい顔があって、ちゅっと唇が触れた。 「今から抱くよ」 「······はい」 はっきりと言われると恥ずかしくて、俯いた俺を抱きしめると、優しくベッドに押し倒されて、今度は噛み付くようにキスをされる。 「っん、は······」 息が上手く吸えなくて少し苦しくなる。 でも、その追い詰められる感覚が気持ちいい。 送られてきた唾液は甘い。口に溜まったそれを嚥下して、舌を絡ませ合った。 唇が離れ、首筋に降りていく。 何度か小さな痛みが走り、その度に心が満たされていく。 誉君のものっていう赤い証。 「ぁ、あ······俺も、つけたい······」 「つけて」 ぐっと首を起こして、誉君の鎖骨の下に触れ、唇を寄せる。 何度か試してみたけど、上手くつけられなくて、もどかしくなった俺はそこに思い切り噛み付いた。 「い゛っ!」 「あ!ご、ごめんなさい!」 くっきりはっきりついた歯型。 慈しむようにそこを撫でた誉君は苦笑を零す。 「今度練習しような」 「ん······っ!は、い」 乳首を軽く抓られて、短い息が漏れる。 既にペニスが緩く勃起していて、恥ずかしさと気持ちよさに膝をすり合わせモジモジしていると、誉君は小さく笑って、俺の股間に手を持っていく。 「ん!」 直接ペニスに触れられると、気持ちよくて腰が震えた。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!