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第638話 R18
「我慢するな。誰も聞いてないから大丈夫」
「っ、誉君が聞いてるっ!」
「そりゃあ聞くだろ」
おざなりに体を拭いてベッドに寝かされる。
髪を乾かしてないから濡れちゃうと思って、焦って体を起こすと、肩を押して倒された。
「髪乾かしてない」
「良いよ。······いや、良くないな。ぶり返すかもしれない」
今度は俺の体を手を引っ張って起こして、急いで髪をタオルで拭かれたかと思うとドライヤーを使って、丁寧に乾かされる。
「眠たい······」
「絶対に寝るな」
確かに、今ここで寝るなんて酷すぎると思う。
必死になって目をこじ開けて、ドライヤーの音が止む。髪を梳かれて振り返れば目の前に格好いい顔があって、ちゅっと唇が触れた。
「今から抱くよ」
「······はい」
はっきりと言われると恥ずかしくて、俯いた俺を抱きしめると、優しくベッドに押し倒されて、今度は噛み付くようにキスをされる。
「っん、は······」
息が上手く吸えなくて少し苦しくなる。
でも、その追い詰められる感覚が気持ちいい。
送られてきた唾液は甘い。口に溜まったそれを嚥下して、舌を絡ませ合った。
唇が離れ、首筋に降りていく。
何度か小さな痛みが走り、その度に心が満たされていく。
誉君のものっていう赤い証。
「ぁ、あ······俺も、つけたい······」
「つけて」
ぐっと首を起こして、誉君の鎖骨の下に触れ、唇を寄せる。
何度か試してみたけど、上手くつけられなくて、もどかしくなった俺はそこに思い切り噛み付いた。
「い゛っ!」
「あ!ご、ごめんなさい!」
くっきりはっきりついた歯型。
慈しむようにそこを撫でた誉君は苦笑を零す。
「今度練習しような」
「ん······っ!は、い」
乳首を軽く抓られて、短い息が漏れる。
既にペニスが緩く勃起していて、恥ずかしさと気持ちよさに膝をすり合わせモジモジしていると、誉君は小さく笑って、俺の股間に手を持っていく。
「ん!」
直接ペニスに触れられると、気持ちよくて腰が震えた。
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