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第646話 泰介side

初めての一緒の食事も上手くいったと思う。 誉君と俺が番になったことも、特に咎められたりせずに、食事が終わると「2人の時間は大切だから」と言って部屋に戻された。 「明日の朝、ゆっくり寮に帰ろう。」 「······誉君、学校は?」 「遅れて行くよ。お前は部屋でゆっくりしてていいから。不安がなくなるまで休んでいればいい。」 ソファーに座って誉君に肩を抱かれながら優しくそう言われる。 その優しさが嬉しくて、肩に擦り寄った。 「誉君、聞きたいことがあるんだけど······」 「何?」 誉君が卒業した後、俺はオメガの寮に帰らないといけない。 今俺が暮らしてる部屋は、生徒会役員とその番にしか渡されていない部屋だから。 「誉君が卒業したら、俺は1人でしょ?運命の番の俺達が離れてて、何も悪いことは無い?」 「······正直に言えば有る。」 咄嗟に顔を上げて誉君を見ると、苦い表情をしていた。 「オメガは愛情が無いって感じると強制的に発情期を起こす可能性がある。それにアルファも自分の番と長い間離れると、誰かに奪われるんじゃないかって不安になって、再開した時には抱き潰すかもしれないし、最悪の場合監禁するらしい。」 「え、監禁······?」 馴染みの無い言葉に思わず苦笑を零す。 「笑い事じゃないぞ。そのまま一生外に出れなくなるかもしれない。」 「えっ、嫌だよ!」 「······だから、何か考えないとな······」 うんうんと、激しく首を縦に振る。 「俺が毎日ここから通えばいい?」 「ここから学校は遠いから大変だ。それに、泰介は無意識に母さん達に気を遣ってしまうだろうから疲れると思うし······。」 何も考えずに目先のことだけ見て番になったから、後々こういう問題が出てくるって考えていなかった。 「学校の近くに家を借りるか」 「······家を借りるの?」 「そこで一緒に住むんだ。そうすればいい」 「でも、お金がかかるよ。バイトしてないし······そもそも、オメガを雇ってくれるところは少ないから、やろうと思っても出来ないし······。」 世間の差別に改めてショックを感じる。

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