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第654話

「あー!それやめて!」 「だって擽ったい」 「こんな避けられ方嫌だぁ!」 どこに恋人の頬を押し返してスキンシップを拒否する彼氏が居るんだ。 「偉成ぇ······」 「はいはい」 拗ねると、偉成は苦笑を零して、俺の背中をポンポンと撫でて立ち上がり、寝室に運ばれる。 「え、本当に寝るの?まだ偉成とくっついていたかったのに!」 「どうせくっついて寝るだろ?」 「そうだけど!」 そのままベッドにゴロンと横になる。 なんだかやけに偉成から甘い匂いがして、クンクン嗅いでいると服の中に手が入ってきて、腰を撫でられた。 「ん、何?」 「可愛いなって思って」 「偉成もね。すごく甘い匂いする。もしかして偉成も発情期?」 「残念ながらアルファだもんで発情期は無いな」 まあ、それもそうか。 じゃあなんだろう?と思っていると、額にちゅっとキスをされる。 「千紘が可愛くて仕方がない。」 「······何急に」 「誰よりも愛してるよ」 「ねえ、どうしたの?」 甘えたいのだろうか。偉成の頬を撫でて、顔を寄せる。 「甘えたいの?」 「かもしれない」 「なぁに、それ。」 笑って抱き着くと、ぎゅっと強く抱き返される。 「偉成からすごく甘い匂いがする。」 「そうか。千紘からもするぞ」 「幸せ?ちなみに俺はすっごく幸せ」 「俺も」 笑い合いながら、他愛も無い話をして、いつの間にか2人して眠りに落ちていた。

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