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第672話

少し休んで、服を着替え、外に出ると街の雰囲気に少し昔の時代にタイムスリップしたような新鮮な気持ちになる。 「千紘、饅頭があるぞ。食べるか?」 「食べる!」 持ってきていた財布からいそいそと父さんがくれたお金を出すと、それよりも先に偉成がお会計を済ましていて「あっ」と思わず声が出る。 「ん?どうした?」 「······自分で買いたかった」 「今日と明日は俺に甘えて」 「いつも甘えさせてもらってる」 「いいから」 饅頭を渡されて、空いていた手を取られ足を進める。 美味しそうなそれに噛みつきながら、道を歩いていると射的を見つけて歩みをとめた。 「ん?何?」 「ん!!」 「あ、射的か。先に食べてからな」 急いで飲み込んで射的のお店に入る。 初めてやるから楽しみで、意気揚々とコルク銃を手に取った。 狙うは俺の大好きなラムネ菓子。 パンっと乾いた音が鳴り、景品を掠めてコルクが奥の布に当たる。 「あー!当たったのに!」 「もう少し左だったな」 そう言われ、もう少し左を狙って打つと、今度こそ景品に当たり下にぽとっと落ちた。 「やった!見て偉成!初めてなのにすごくない!?」 「ああ、凄いな。」 ニコニコと笑顔で頭を撫でられるのが嬉しい。 景品を貰って、射的のお店から出て、また街の散策をする。 「人が多いね。さすが大晦日」 「はぐれない様に手繋ぐか?」 「うん!」 差し出された手に自らの手を重ねてギュッと握る。 そのまま夕方頃まで、昔ながらのいい景色を眺めながら、食べ歩きをして楽しんだ。

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