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第682話

漸く家に着いて、鍵を開け部屋に上がる。 「お母さん!誉君が来たよ!」 「誉くーん!!いらっしゃい!!」 お母さんが走ってきて、誉君の前で急ブレーキをかける。誉君は驚いて目を見開いているし、俺も思わず繋いでいた手をギュッと強く握ってしまった。 「あらぁ、聞いていた通り格好いいわね。素敵!足も長くて······うちの子も可愛いけど、誉君は本当に綺麗なお顔で······。こんなに格好いい人が泰介の番なの!?しかも運命!?神様はなんて素敵な采配をされたのかしら。私は一生神様にお礼を言わないと。ありがとう神様。ありがとう──」 「母さんお願い。落ち着いて」 誉君が苦笑しながら、手に持っていたお土産をお母さんに渡す。 「あら、ありがとう!そんな、気を遣っていただかなくても良かったのに。今からみんなで食べましょう?」 「はい。お邪魔します」 リビングに行くと父さんもいて、テーブルの席に座り珈琲を飲んでいる。 「お邪魔します。高梨誉です。」 「誉君。いらっしゃい。」 柄にもなく緊張している様子の父さん。 厳格そうに見せようとしてるんだろうけど、俺は気づいてる。カップを持つ手がガクガク震えてることに。 「もう!いつも通りでいいってば!」 「ち、父、父親と、しての、威厳を」 「おかしくなってる!緊張しておかしくなってるよ!」 カップの中の珈琲も波をうっていて、誉君はやっぱり苦笑しながら、俺を見る。 「ごめんね、ごめんね本当に。あの······こっち座って?」 「ありがとう。大丈夫だよ」 「誉君は珈琲でいいかしら?紅茶の方がいい?」 「あ、いえ、珈琲で大丈夫です。」 席に着いた誉君の隣の椅子に腰を下ろした。

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