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第691話 偉成side

千紘とすごした年末年始。 まだその気分に浸っていたかったのに、今日から学校だなんて酷い。 千紘は意外とあっさりしていて、俺がグチグチと文句を零している間に、先に登校してしまった。 「······千紘が冷たい」 1人でドボドボ歩き校舎を目指していると、知っている顔を見つけて声をかけた。 「渡、おはよう。今日は誉と一緒じゃないのか?」 肩を軽く叩くと、渡は振り返って俺を見て、泣き出しそうな表情になった。 「えっ、い、今の、痛かったかっ?悪かった、軽くしたつもりだったんだが······!」 「あ、赤目、先輩」 「悪い。保健室行くか?」 「······先輩ぃ」 ついに大きな目から涙を流し出して、慌ててスマートフォンを取り出し誉に連絡しようとすると、「ダメ!」と言って手を押えられる。 「渡······?」 「誉君には、連絡、しないでください······っ」 「わ、わかった!わかったから泣くな!」 他の生徒に見られたら俺が虐めているように見えるに違いない。 兎に角、渡の腕を掴み急いで校舎に入る。そしてまだ先生の来ていない保健室に行って、持っていたハンカチを渡に差し出す。 「どうしたんだ。肩が痛いなら冷やした方が······」 「違うんです······。ちょっと、悩んでることがあって、でも······誰にでも相談できる内容じゃないから誰にも言えなくて、そしたら······赤目先輩に会ったから······」 「俺になら話せるのか?誉には話せない?」 「はい。······誉君との、ことだから。」 誉と何かがあったらしい。 誉とのことで、誰にでも相談できる内容じゃないとなると、思い当たるのは真緒のこと。 「もしかして、真緒が関係してるのか?」 「······はい。」 それは······やっぱり、誉と直接話すべきだと思うけれど、渡は兎に角話を聞いてもらいたいのだろう。 「俺でいいなら話を聞かせてほしい。ただ、解決できるかどうかはわからない。」 「いいんです。吐き出せなくて、それで余計に辛くなってるだけだと思うから。」 椅子に座って、渡を見る。 とても不安そうな表情で、ゆっくりと話し出した。

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