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第700話 R18
***
ベッドに寝転びながら、時計を見る。
もう午後6時。布団を肩まで被り直し、隣に寝ている偉成の肩を揺すった。
「偉成」
「ん······」
「······赤目偉成くーん」
揺すりながら耳元で名前を呼ぶと、擽ったいのか肩を竦めて頭まで布団を被ってしまった。
「起きてるでしょ?起きてないの?起きてよ!」
「······起きてる」
「もう6時だよ。お風呂入ってご飯にしよう?」
「風呂に入ってからご飯作るから、食べるのは7時半くらいになるぞ。」
「寮食でもいいよ?」
偉成に擦り寄った。
ぎゅっと抱きしめられ、至る所にキスをされる。
「たまにはいいか」
「うん。だからとりあえずお風呂入らない?」
「入る。用意してくる。」
「シャワーでいいよ。」
「それはダメだ。千紘の体が冷えるから」
俺の頭を撫でてベッドから出て行く。
偉成は時々そのまま部屋を出て行ったりするから、今日はちゃんと下着を履いてほしいなと思っていると脱ぎっぱなしだった下着を床から拾って履いてくれた。
「よかった。」
「ん?何が?」
「あ······いや、下着履いてくれて······」
「え······ああ、成程。」
ちゃんと自覚があるみたい。
それにも安心して、部屋から出る偉成の背中を見送る。
偉成が戻ってくるまでスマートフォンを手に取って、メッセージアプリで溜まったメッセージを見ていく。
「······卒業かぁ。」
あとほんの数ヶ月で偉成が居なくなる。
メッセージアプリに出ている日付を見て急にそれを思い出し、寂しくなってしまった。
「千紘、あと二十分くらいで沸くから······どうした?」
「んー?」
スマートフォンの電源を切ってベッドの隅っこに置く。
布団の上から覆いかぶさってきた偉成は「何でそんな匂いさせてるんだ?」と言って首筋に顔を埋める。きっと俺の寂しいっていう匂いを感じたんだろう。
「ん······もうちょっとで偉成が居なくなるなって······、ちょっと······またするの······?」
布団を捲られ、お尻を撫でられる。
指が後孔に触れて短く息を吐くと、うつ伏せに転がされた。
ゴムを着けた偉成がゆっくり中に入ってくる。
「あ、ぁ、ぁ······っ」
「俺がここを出ても、ここの近くに家を借りるから千紘もそこに住めばいい。」
「ん、ぅ······っ、は、でも、迷惑でしょ······っあ、偉成は、大学あるし······」
「何も迷惑じゃないよ。むしろ千紘と居れるのが嬉しい」
さっきまでもシていたから中は濡れていてグチュグチュと音が鳴る。
背中にぴたっと触れる熱が心地いい。
ゆっくりとした律動で余裕があって、追い詰められない快感に頭はふわふわしだす。
「はぁ······あ、ん······」
「奥、入るよ」
「え······あ、あぁっ!」
とっくに柔らかくなっていた奥の壁を潜って偉成が入ってきた。お尻に当たる下生え。気持ちよくて逃げようとすると肩を抑えられる。
「っは、はぁっ、ぁ、偉成ぇ······」
「千紘が安心できるまでこうしてる」
「え、ちょっ······!」
ペニスが挿入されたまま、隣に寝転んだ偉成。
まさか本気なのか。
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