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第713話
夜ご飯を食べて、旭陽と一緒にお風呂に入り部屋に戻る。
ベッドに寝転ぶ旭陽のお腹にオイルを塗る。
実はこの時間は俺のお気に入り。
「ふふ、こしょばい」
「はい、じゃあ次はマッサージね」
骨盤と仙骨の周りを優しく押して、足の先まで揉んであげると旭陽は気持ちよさそうに息を吐く。
「気持ちいい?もうちょっと強くする?」
「ううん、ちょうどいいよ」
30分くらいマッサージを続けていると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
隣に寝転び布団を掛ける。
今日もお疲れ様の意味を込めて、額にキスをした。
明日からはずっと一緒にいれるんだ。
幸せを噛み締め、俺も目を閉じてそのまま眠りに落ちた。
***
唇にちゅっと柔らかいものが当たった。
ゆっくりと浮上する意識。
目を開けると旭陽が俺を見ていて、幸せだなぁと勝手に口角が上がる。
旭陽の頭を撫でて胸に抱きこもうとすると、やんわりと拒否されてしまった。
「おーきーて!」
「······天使だ」
「まだ夢見てんのん?」
旭陽も寝起きの筈なのに、何でそんなに可愛いの。
真っ白な肌に桜色した唇。大きな目は俺と目が合うと少し照れたように逸らされた。
「起きへんの?まだ寝る?」
「起きるよ」
そう言いながら、旭陽の頬を撫でる。
今日も体調はいいのか、いつもより表情が柔らかい。顔色も良くて安心する。
「7時やで。ご飯食べよ。お腹空いた」
「うん」
腹筋を使って起き上がり、旭陽が起きるのを支えて手伝う。
「ありがとう」
「いえいえ。おはよう旭陽」
「おはよう」
下に降りるとお婆さんもお爺さんもとっくに起きていて、お爺さんは朝の散歩に出かけて行った。
いつも俺がご飯を用意しているのに、今日は長く眠ってしまったからお婆さんが用意をしてくれていて、申し訳なく思いながらも有難く戴く。
「旭陽、天気がいいって。俺達も後で少し散歩に行かない?」
「うん、行く。」
テレビでお天気お姉さんが『少し暖かくしてお出掛け下さい』と言っている。
旭陽が寒くないように、ちゃんと準備をしないと。
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