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第722話

暫くして偉成と先生が戻ってきた。 匡と優生君は先に教室に行くように言われて出ていき、保健の先生も麻倉先生と少し話をしてから部屋を出て行った。 「さっき赤目と話したんだが、警察に相談しよう。」 「······」 「これはストーカーだ。何かあってからじゃ遅い。」 「······あの、俺、でも······怖い······」 警察に言って、逆恨みをされたら? 今度は写真じゃなくて、襲われるかもしれない。 それに他にも不安なことがある。 「逆恨みされたら、怖い。襲われるかも、しれないし、俺だけじゃなくて······偉成や、匡や優生君にも何かされるかもしれない······」 そんなの嫌だ。 俺のせいで誰かが傷つくのなんて嫌。 「こ、これ、多分、あの人じゃ、ないかなぁ?話したら多分、やめてくれるよ······」 「話してやめるような奴に見えたか?」 「で、も······」 偉成の厳しい声が鼓膜を揺らす。 でも、だって、怖い。 俯く俺の背中を撫でた先生は、優しい声で諭すように話してくれる。 「これは松舞が決めることだから、どうしても嫌なら別の方法を考えよう。写真の中には学内で撮られたものもあった。暫くは敷地の中でも1人にならないこと。まずはそれを約束してくれないか?」 「先生、それだと何の解決にもならない。」 「松舞の気持ちが1番だ。」 偉成の言葉に強く返した先生は、俺の頭を撫でると「今日は帰ってゆっくりしろ」と俺の荷物を偉成に渡し、寮まで送ってくれることになった。 「赤目、お前も1人になるなよ。松舞の番だからって狙われる可能性はあるんだからな。」 「わかりました」 寮に着き、部屋に入ると途端に力が抜けた。 どうやら安心して一気に脱力したみたいだ。 「大丈夫か?」 「うん······ごめんね、わざわざ来てもらって」 「いや、どっちみち俺も気になっていたし、気にしなくていいよ。」 抱っこされてソファーまで運ばれる。 至れり尽くせりで申し訳がない。

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