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寂しん坊の悪戯 泰介side
誉君がかまってくれない。
俺は誉君の買ったマンションの一室で、毎日誉君の帰りを待っている。
誉君の帰宅時間は大体夜の八時から九時の間。
ご飯は家で食べるから、いっぱい練習して今じゃ味だけじゃなく、見た目も美味しいと言ってくれる料理を作れるようになった。
「じゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい」
今日も仕事に行く誉君を笑顔で見送って、ドアが閉まった瞬間笑顔は作れなくなって肩が下がる。
「……触ってくれない」
卒業して暮らすようになってからまだ数ヶ月。
けれどどう考えても卒業する前の方が誉君と触れ合えていた気がする。
「キスしたい……触ってほしい……」
確か、明日なら誉君は休みだったはずだ。
タイミングが合ったのと、不満に耐えられなくなって俺は決意した。
──今夜、誉君に絶対に触ってもらうと。
***
誉君が帰ってくるまでに色んな準備をした。
まずは誉君がそんな気分になるように、寝室に催淫効果のあるアロマを焚いた。
ご飯は精力のつくものを作り、湯船には入浴剤を入れて白濁のお湯にした。少しとろみもあって保湿効果もある。この入浴剤は前から使ってみたいと思っていたから、ちょっと楽しみ。
「ふふ……ついにこれを着る時が来たか。」
今日の昼間に買い物に行って買ったそれ。クローゼットの奥に隠していたのを取り出してニヤニヤ笑う。
そんな時玄関が開く音と「ただいま」と誉君の声が聞こえてきて、慌てて袋を元あった場所に戻した。
「おかえりなさい!」
スーツ姿の誉君に抱きつく。
ジャケットと鞄を預かり、片付けてからご飯を用意して二人で食べた。
「風呂入ってくる」
「うん!あのね、今日は入浴剤入れたんだ!」
「そうなのか。なら先に入るか?どうせまた俺を待ってて入ってないんだろ。」
疲れているのに、なんて優しいんだろう。
嬉しいけれどちょっと複雑。自分の事も大切にして欲しい。
「ううん。先にどうぞ。ゆっくり入って」
「……一緒に入る?」
「へっ!?」
そんなお誘いをしてくれるなんて思っていなくて、慌てて両手を前に出し手と首を左右に振る。
「ゆっくり!入ってきて!」
「……わかった」
誉君が苦笑を零して、俺の用意した着替えを持ちお風呂場に行く。
その間に食器を片付けた。
俺のやる気は満々だ。絶対に今夜は誉君とラブラブエッチをするぞ!
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