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だからお前は

「いつもぶっきらぼうなくせに優しいなぁ」 「……そりゃあ病人に対してキツい当たり方しないだろ。」 「へへ」 だらしの無い緩みきった顔。 俺の手を掴んで甘えるように頬擦りしてくる。 「幸鷹ぁ、一緒に寝たいなぁ……?」 「……何お前。可愛い路線で生きることにしたのか?」 「いや、別にそうやないけど」 仕方なくベッドの縁に座る。 「何か食べるか?ほら、さっきのプリンとか。」 「あー、食べたいかも。ちょっとお腹空いた。点滴したから体めっちゃ楽なってる。」 「そのまま元気になればいいけど、まだ分からないから大人しくしておけよ。」 プリンを袋から出して、スーパーの店員さんが入れてくれていたスプーンと一緒に渡す。 「……こういう時ってさ、あーんしてくれたりしやんの?」 「されてえの?」 「別にそういうわけやないけどぉ……」 ムスッとした顔で受け取ろうとした純。 俺はすかさず手を引っ込める。 「口開けろ」 「え……」 「されたいんだろ。」 スプーンですくって口元に持っていくと、純は大人しく口を開ける。 プリンを飲み込んだ純は、少し頬を緩ませる。 「美味しい」 「よかったな」 ペロリとプリンを食べ終えて、またスポーツドリンクを飲んだ純は、ゴロンと寝転んで小さく息を吐いた。 「お前、これからここに住め。」 「はぁ?」 落ち着いたところで提案すると、すごく嫌そうな顔をされた。ちょっと……いや結構、グサッときた。ショックだ。 「今回のことで懲りただろ」 「……今回のことは迷惑をかけて申し訳ないと思ってるけど、それとこれとは違うもん。」 「……はぁ」 ショックを受けたことを隠して、純と目を合わせる。 「あのさ、お前は人に頼らなさすぎる。前に赤目先輩と松舞に迷惑を掛けたんだってな。それを気にしてるのか?」 「……何で知ってんの」 「そりゃあ知ってるだろ。赤目先輩が一年と浮気して松舞が死にかけたって話は有名だぞ。その一年がお前だったってこともな。」 「……うん、そう。それが理由。頼ったり必要以上に関わると迷惑かけちゃう。」 「そういえばお前、同級生の友達は渡しか居ねえしな。」 ジロっと睨まれてあまり言われたくない事だったかと、苦笑を零す。

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