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だってあんたは
家に着いて部屋着に着替える。
時刻は午後七時。幸鷹とご飯を食べて、食後は紅茶といつの間にか幸鷹が用意してくれていたケーキを食べる。
「美味しい!」
「よかったな。全部食え」
箱に入っていたケーキは全部で四つ。
幸鷹は食べないのだろうか。
「幸鷹は?いらんの?」
「うん。お前が甘い物好きだろうなって思って買ってきた。」
「大好き。ありがとう」
二つ目のケーキを食べながら、テレビを見る幸鷹を眺める。
幸鷹は甘い物は好きじゃないのかもしれない。
誕生日にケーキは定番やけど、用意するのはやめた方がいいのかも。
「ケーキ嫌いなん?」
「いや、別に嫌いなわけじゃないけど」
「甘いの苦手?」
「そんなに好きじゃないな」
二つ目のケーキを早々に食べ終え、箱を閉めてから幸鷹の隣に座る。
擦り寄ると肩に腕が回されて、より密着した。
「幸鷹」
「ん?」
テレビから視線を逸らさない幸鷹の頬に、ちゅっとキスをする。
漸く俺を見たかと思うと、口角を上げて笑っていた。
「何?甘えたかったのか?」
「……一緒にお風呂入らん?」
「ああ」
テレビを消して、俺を横抱きにしたかと思えばそのまま風呂場まで連れて行かれる。
脱衣場で服を脱いで、お風呂でシャワーをあびた。
髪と体をそれぞれ洗って、お湯に浸かろうとすると腰を抱かれ、驚いて振り返る。
「何してんの?」
「解しとく」
「は?」
「だから、ヤるつもりだから先に解す。壁に手つけて立ってろ」
「えぇ……?全く雰囲気ないやん。ビックリするねんけど」
でも拒否するつもりはなく、壁に手を着いて足を軽く開く。
「次の発情期はいつだっけ?」
「あー、多分来月」
「そうか。」
後ろから抱きしめられたかと思うと、濡れた指が後孔を撫でてきた。
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