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高良家の休日
***
「お揃いだね、旭陽。」
顔がぺたぺたする。
夕陽は満足したみたいで、遊び疲れたのか眠ってしまった。
「お揃いって……。ぺたぺたするねんけど、これ落としたら起きた時に夕陽泣くかな」
「いや、大丈夫だと思うよ?」
「じゃあもう落とそ。でも何で化粧品なん?おもちゃ買ってきたと思ってた。」
「おもちゃだよ。子供用。夕陽がどうしても欲しいって言うから買っちゃった。……まさか俺がされるとは思ってもみなかったけど。」
また不貞腐れたような顔をする悠介。笑いそうになるのを堪えて化粧を落とすために洗面所に行く。
後ろをついてくる悠介の髪は、まだ結ばれたまま。
「これ落ちるん?」
「水性だから普通に顔洗えば落ちるって書いてあったよ」
「先洗う?」
「ううん、先どうぞ。」
急いで顔を洗って、悠介に場所を譲る。
悠介の結ばれていた髪を解くと、いつものイケメンに戻った。
「夕陽には申し訳ないけど、悠介はやっぱりいつもの方が恰好いいな。」
「旭陽も。ねえ、やっぱりキスさせて?」
「いいよ」
腰を抱かれ、顔が近づいて唇が触れる。
軽くちゅ、とするつもりやったのに、舌が入ってきて口内を蹂躙される。お尻を撫でられて、そんなつもりはなかったのに気分が上がってしまう。
「ン、ん……」
「は……」
唇が離れ、小さく息を吐くと強く強く抱きしめられた。
「旭陽はすっごく可愛いけど、俺達の子供も信じられないくらい可愛いね。」
「当たり前やん。俺と悠介の子供やもん」
「ふふっ、そうだね。」
クスクス笑い合っていると、いきなり大声で「ママ」と呼ばれ、悠介と急いで部屋に戻る。
「ゆーうーちゃん、どうしたん?」
「ママ!」
泣きそうな夕陽を呼び抱きしめると、俺の肩に顔を埋めて動かなくなった。
「あれ、寝た?」
「うん、寝てる。起きたら一人だったからビックリしたんじゃない?」
「あー、申し訳ないことした。バラバラに行けばよかったな」
「まあ、そうだけど……キスできたからよかった。」
モゾっと肩口で夕陽が動く。
夕陽の髪をサラサラと撫でた悠介は、また俺の頬にキスをして夕陽ごと俺を抱きしめた。
──そんな、温かい休日のこと。
高良家の休日 了
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