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02.二人の朝②

ユウは小刻みに甘い声を出した後、ふーっと息を吐く。 その顔はもうすっかり蕩けていて、折角の端正な顔立ちが残念に見える程、だらしない。 「随分気持ち良さそうだな」 「うん、うん……」 肩に置かれたユウの頬が、どんどん熱くなる。 また、手の中のモノは、もうカチカチだ。 このまま、一度抜いてやれば気が済むだろうと強めに握り直した、その時。 ユウは視線だけを俺に向け、交わると細めた。 それから、 「んふふ~」 と笑い、ぎゅっと俺の股間を握る。 「おい、お前、こら、やめ……」 そして、まだ萎えているそこを巧みに刺激しながら、すっと頭を下ろした。 それは、あまりにも素早かった。 咄嗟に止めようとした俺の手は、行き場をなくして、虚しく宙をさ迷う。 一方、ユウはというと、大口を開けて半勃ちのペニスを一気に咥えやがった。 「んーっ」 「てめ……」 まずは甘噛み、それからねっとり全体を舐め上げる。 その間に器用にスラックスのチャックを下ろして中身を出し、今度は直接……要した時間は、実に三秒。 その間に溜めておいた唾液をとろりとペニスの先端に垂らし、ぬめりを利用し一気に口内へと収めてしまう。 「おい、ユウ……おい」 「ふぁい」 「こっら、喋るな」 ユウが話そうとしたせいで、その歯が軽くカリの部分を掠め、不覚にも腰が疼き引けてしまった。 というか、無理だろ、こんなの。 不可抗力だ。 大体うますぎるんだよ、こいつ。 ……って、まあそうか、"プロ"だし。 「ちょ……っ」 危うくこっちが出そうになる寸前で、ユウは唐突にそれから口を離した。 十分に硬くなっていることを改めて確認して、顔を綻ばせると、上唇を右端から舐め始めた。 そしてその舌が真ん中に来たところで、俺を見上げる。 目が合うと、ねだるように反り勃った竿に頬擦りをして見せた。 俺は呆れる。 ユウにも、そしてそれを止める気持ちが起きないほど簡単に煽られてしまった自分自身にも。 「……ゴムはつけろよ」 「えー」 「後始末までしてる暇がねーんだよ」 「はあい」 頭を抱えながら返すと、ユウは大喜びでサイドテーブルの方へ這って行った。 直ぐに口にコンドームを咥えて戻ってくる。 犬歯で包みをピッと剥がし吐き捨て、中身を取り出すと、口から垂らしつつ俺のペニスに触れる。 ぬるりとその指が滑るように這った。 この僅かな時間で、ローションまで仕込んで来たのは、流石に感心せざるを得ない。 ユウは少しだけ萎えてしまった俺のものを再びにゅるにゅると刺激し勃たせながら、器用に口を使ってゴムを被せてくる。 そして、半分ほど入ったところでまずは手を完全に離した。 次に自由になった手でトランクスを下げ、自ら尻を割り開いてそこを解し始める。 同時進行で、上下の唇でゴムの下端を挟み、根本まで引き下げた。 ユウの後孔からは、女のようなクチュクチュとした水音が響き始めている。 また、その白い内腿に透明な液体が伝う。 「カイ……」 ユウは上ずった声で俺の名を呼んだ後、柔らかくほぐれた後孔きペニスの先端を押し当てた。 そして準備が整ったところで、潤んだ瞳をこちらに向けながら、首をかしげ訪ねてくる。 「"マテ"?」 多少癪に思うところはあれど、ここまで来てしまったら、答えなんて決まっている。 「ーーーいや。"ヨシ"」 だからそう返した瞬間、ユウの顔が綻んだ。 同時に、ゆっくりその細腰が落とされていく。 飲み込まれていく度に、ペニスに吸い付くように収斂する内壁の感覚は、素直に心地よかった。 俺のをすべて胎内に挿入した瞬間、ユウの内腿の筋がピンと張ったのが見えた。 軽くイったようだが、ユウのペニスは勃ったまま。 所謂"メスイキ"というやつだった。 ユウは顎をかくかくと小刻みに痙攣させて動けなくなっていたようだったが、その後ぐっと歯を食い縛り、なんとか持ち直す。 そして肩に添えた手に更に力を込め、ゆっくり上下に動き始める。 俺の元に来るまで、ユウは奴隷だった。 まさかこの時代にそんなものが現実にいるなんて、俺も今の仕事を始めるまで思ってもみなかった。 けれど、奴隷は一部の社会の中で今も尚数多く存在している。 奴隷になる理由は、人によって様々。 同様に、彼らが従事する労働の内容も様々だ。 ユウは俺が保護した17歳まで、性奴隷、金持ちの"犬"として生きてきたようだ。 もう3年面倒を見ているが、今でも奴隷時代の悪癖が数多く残っている。 この"盛り癖"もそのひとつだ。 年端もいかない子供の頃から徹底的に快楽と性技を叩き込まれた体は、一度欲情してしまったらもうそれを我慢することができなくなってきまう。 それは、まさに盛りのついた犬と同じ。 誰かと体を重ね、治めるまで耐え難い苦痛となってユウを苛み続けてしまうんだ。 「ん"ー……!」 ユウが腰を下ろしてきたタイミングで、何の前触れもなくグンと突き上げてやる。 それは、ちょっとした意地悪心だった。 思った通り、ペースを乱されて戸惑うユウの反応に、ほくそ笑む。 ユウは震える手で俺の肩を掴みながら、 「あぁ、あ、カイ……」 と、懇願してきた。 「なんだよ」 「ふぅ、う……ァ、い、イかせて、くださ……」 言われなくとも、ユウの限界が近いことは一目瞭然。 俺は返事のかわりに、乱れたその銀髪をゆっくり撫でた。 面白いことに、いつもそれだけでユウの感度が一気に上がる。 また、意識して好きな箇所を擦ってやる。 そうすると、ユウはもうひとたまりもない。 「ひぁ、ぁあ、あ……!」 俺の動きを追ってユウの腰が跳ねて、同時に内壁が激しく収斂した。 「……っ、しめすぎ……。」 その刺激の強さに俺も一瞬腰が引けてしまったが、何とか踏みとどまる。 まずは息を一度吐いて自分を落ち着かせた後、再び動き始める。 「……ん、ん……!」 浅く、深く。 弱く、強くを、何度か繰り返す。 そして、もどかしい刺激にゆらゆらと揺れるユウの腰を突然強く掴み、 「……おら、イきな。」 と言い放つと、最後にもう一度、思い切り貫いた。 「ふああ、かい、あ……あ!!」 その瞬間、呆気なくユウは達した。 しかし射精はなく、女のように身を震わせるだけの絶頂だった。 「ゃ、ぁあ。」 一方俺は、達したばかりのユウのことなんか構わずに、中を同じぺースで突き続け、寸前の所で堪える。 「……っ!、かい!」 そして間髪いれずにユウを思い切り突き飛ばし、仰向けに転がした。 その後、すぐさまマウントを取ると、その萎えたぺニスを握って一気にしごき上げる。 同時に再びハイペースで後孔を突き始め、俺自身にもラストスパートをかけた。 達したばかりの敏感な体に追い討ちをかけられて、半ば混乱したユウは泣きじゃくって抵抗する。 「やぁ、や、ユウ、それ、やだあ!」 「うるせぇ、黙ってろ。」 「う"あ"ぁぁん!!」 ユウのぺニスは手の中で直ぐに勃ち上がり、固さを増していく。 先端から溢れた先走りのぬめりを借りて、亀頭と裏筋をきつく攻めた。 ユウは何とか俺の手を止めようと必死に暴れたが、やはり快感には勝てず、再び熱い息をこぼしながら体を震わせる。 「かい、なんで……、やだ、やだあ 」 「お前も男らしく、ちゃんと出してスッキリしな。 でないと、使えなくなっちまうぞ」 「ーーー!!!」 ユウは、そのまま俺の手の中で果てた。 と、同時に搾り取るように締まる動きに従い、俺もその中で射精する。 ユウは息を乱しながら、呆然と精液まみれの手を見つめている。 俺は、 「よしよし、上手にできたな。偉いぞ。」 と耳元で囁いてから、その乾いた唇にキスを落とした。

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