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15.二人の夜②
ユウは咥え込んだペニスの先端を、喉奥でぎゅっぎゅとしごく。
同時に残りをぬるぬるした口内で余すところなく刺激されて、思わず口許を手を覆った。
これは、ヤバイ。
あまりの心地良さに余裕を失っていく。
一方ユウは、ぺニスの根本を擦りつつうっとりした表情で顎を上下させていた。
時折口を開き、とろりと体液を垂らす。
それが竿を濡らし、伝って、テラテラと光っているのが何とも言えず、いやらしい。
そこから一気に攻め立てられれば、いくら奥歯を噛み締めても腰がビクつくのを抑えることが出来ない。
本能的にユウを引き離そうとその肩を押したが、ビクリともしなかった。
普段は非力なくせに、こういう時ばかり何なんだよ。
恨めしく思い舌打ちをすると、ユウが視線だけを上げてこちらを見た。
視線が合うと、すっとその目が細くなる。
やめろとばかりに額を押しても、生意気なユウの攻めは止まらない。
ここまでくると俺自身もだんだん我慢していることがバカらしくなってきて、不本意ながらその極上の奉仕に流されることにした。
「……ン!」
突然、特に敏感なカリを噛むように刺激され、思わず変な声が出てしまい口を手で覆う。
奥歯が鳴るほど食い縛り、ユウを睨んだ。
しかしユウは俺のことなんか全く意に介さず、カリから竿にかけて丁寧にキスを落としていく。
そしてぬるぬるの鈴口を指で押しながら、根本を食んだ。
そこからまたにゅるりと竿を舐め上げ、全体を一気に口内に押し込んで……。
「ぁー、ダメだ、ユウ」
俺は前屈みになり、ユウの頭を抱え込む。
背筋を駆け上がってくるゾクゾク感に、熱い息を吐き落とした。
するとユウが絶妙なタイミングでラストスパートをかけてくる。
「……っ、イく…っ」
俺の″ムスコ″は一気にガチガチに固まり、直後にあえなく果てた。
ユウの口の中で脈打ちながら萎えていくのが、自分でもよくわかる。
「……コラ、ユ、ウ!」
しかしユウは、追い討ちをかけるように柔らかくなっていくペニスを吸って最後の一滴まで搾り取ろうとするんだ。
「ン……っ」
ぶるりと腰を震わせながら残滓を吐き出し終えると、ユウがようやく口を離した。
そして俺の目前まで首を伸ばしてきて、大きくその口を開く。
先ほど放った精液が、そのまま溜まっている。
ユウは器用にそれを舌の上に集めた後、見せつけるように差し出してきた。
「っ、わざわざ見せなくていい」
あまりの生々しさに目を反らす。
照れ隠しの咳払いと共にそう命じると、ユウは口を閉じて首をかしげた
そしてそのまま、じっとして動かない。
また、その間口内のそれを飲み込んだり、吐き出そうとする気配もない。
その行動の所以は、分かっている。
こいつは、主人である俺からの命令を待っているんだ。
「ユウ、″ヨシ″」
仕方なく言ってやると、ユウは嬉しそうにニッコリした後、喉を大きく動かして口の中のものを飲み込んだ。
それから唇を赤い舌でぐるりと一周舐めた後、俺たち二人の体液でべとべとになっている手を丁寧に舐め取って綺麗にする。
それを見ていると何となくバツが悪くなって、胸ポケットに忍ばせていた電子タバコをつけ咥える。
ところが、メンソールを一息吸い込んだと同時に、ユウに肩を強く掴まれた。
ユウは俺の太股を跨ぎ、上から見下ろしてくる。
そしてそのまま顔を近付けてくるから、
「……なンだよ」
と睨みをきかせると、ユウは少し唇を尖らせた後、俺から電子タバコを奪った。
そして空いた口に食いついてくる。
……熱ィ。
滑り込んでくる舌に触れた瞬間、真っ先にそう思った。
こいつ、発情してやがる。
「ン、かい、ふ……」
自分の欲求だけを満たす、性急で身勝手なキスだ。
次第にそれに呑まれていくユウの手から、ポロリと電子タバコが落ちた。
ユウは自分のズボンに手を滑り込ませ、自らを慰め始める。
「んん……ん……っ」
片手で俺にすがりながら、切なそうに眉を寄せて腰をゆらゆらと揺らす。
程なくして、ユウは俺の肩に額を押し付けて前屈みになった。
同時に俺を跨ぐ太ももの裏筋がピンと張り、膝をガクガクと揺らし始める。
「おい、何一人で勝手に気持ちよくなってんだよ」
ため息をつきながら、ユウのジャージを下ろしてやる。
すると、ユウの痴態が露になった。
「お前なあ……男としてのプライドはないわけ?」
全く反応していないペニスに比べ、自分の指をもう三本も飲み込んでいる孔を目の当たりにして、思わず呆れてしまった。
けれども、ユウがそんなことを気にする筈もなく、荒い息をこぼしながらひたすら″イイところ″を擦るのに必死だ。
そのとろんとした瞳が俺を映し、顎を上げてもう一度キスをねだってくる。
敢えて避けると、空振りした唇をだらしなく開いたまま、かわりに小刻みな喘ぎ声が溢れた。
そんなユウが、次に狙いを定めたのは俺のペニスだ。
まだ萎えたままのそれを掴み、自分の後孔を苛めながら、巧みにしごき始める。
やがて手の中でそれが生理現象で固くなると、ごくりと生唾を飲み込んだ。
そして、″頂戴″と目で懇願してくるんだ。
……が、俺の答えは、ノー。
さっきからの狼藉に対するお仕置きだ。
「ユウ、″待て″。」
その言葉に、ユウは鼻をスンと鳴らした。
それから俯いて、″うう″と唸る。
後孔を慰める手を止めて、今度は両手で俺の首に手を回す。
俺はさっき置いた電子煙草のスイッチを再び入れて、ふかし始めた。
二度吸って吐いてをしたところで、ユウの腰がゆっくり落ちて来た。
「あ、あ……。」
大好きなペニスを目の前に待ちきれなくて、勝手に始めた苦肉の策は、素股。
バカだな。
そんなことをしたら、余計自分を追い詰めるだけだってのに。
「あん、ひぁ……っ。」
ユウはいやらしく腰をうねらせながら、ペニスが孔をかする度に顎を上げて仰け反った。
孔に擦り付けるペニスが固くなればなる程″イイ″ようだ。
僅かに勃ち上がり始めたユウのペニスからは、先走りが愛液のようにトロトロとこぼれている。
それを手で掬い、俺の竿に擦り付けてやる。
すると、よりぬるぬると滑り、重なった箇所が摩擦で熱くなる。
すぐに固さを取り戻したペニスは、油断すると直ぐにでもユウの雌孔に取り込まれてしまいそうだ。
俺はわざと孔に引っかけて、寸前のところで外れるように腰を動かしてやる。
「んんー……っ。」
すると、ユウがまた俺を見上げてきた。
もう限界だとその瞳が訴えている。
まあ、今日はこれくらいで許してやるか。
俺は悪戯にユウの片尻を掴み広げた後、強めに叩く。
その刺激に顎を上げたユウの首筋に噛みつきながら、
「ユウ、ヨシ。」
と囁いてやった。
「あ、あ……!」
その後のことは、ユウに任せてみる。
ユウは俺の先端を孔で捕らえながら腰を限界まで引き上げると、一気に落とした。
「あ"ー……っ。」
それは、待ちに待った快感だ。
挿入だけでイったユウは、内壁で俺を搾りながらガクガクと痙攣する。
そして腰を上げようとすると、また達して体が強く震えてしまう。
まさに進むも地獄、戻るも地獄といったところか。
「おい、俺、全然気持ちよくねーんだけど?」
追い詰められていくユウに、敢えて追い討ちをかけるように意地悪を言う。
するとユウは、
「ぁ、ごめ……なさ」
と、半泣きで返してきた。
それから、ゆるゆるだった尻をぎゅっと絞め直し、
「ごめんなさい。
ユウ、はしたない、あなで、ごめんなさい……。」
と必死に謝りながら、何とか腰に力を込めて必死にピストンし始めたのだった。
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