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第15話

「やっと復活したのか。随分時間かかったなー」 「そうだな。めった斬りされたのは覚えてるんだが」 「や、マジそれな。死合い見てたけどヤバかったぜ。フレイン様、優しそうに見えて全然容赦ないんだもん」 「それが兄上のいいところなんだよ。弟だからって手を抜かれるのも嫌だし」 「それでも容赦なさすぎじゃね? というかフレイン様、単にアクセルのこと弟だって認識してないだけなんじゃねーの?」 「そっ、そんなことは……」 「だってヴァルハラに来てすぐ、お前散々な目に遭ってたじゃん」 「う……」  痛いところを突かれ、言葉に詰まる。  三ヶ月前、ヴァルハラにやってきてすぐ、アクセルは兄・フレインを捜した。ヴァルハラはランキングごとに住む場所が違うと聞いたので、上位ランカーの居住区まで捜しに行ったのだ。  ところが、兄の居住区に足を踏み入れた途端、見回り組の男たちに捕まってしまった。 「おい、勝手に入るな! ここは新人が入っていいところではないぞ!」 「俺はここに用があるんだ! 少しだから大目に見てくれ!」 「ダメだ! ランキング上位者でなければ通すことはできん!」 「兄上に会えたらすぐ帰る! だから今だけ目を瞑って……」 「おやおや、何を騒いでいるの?」  その時、懐かしい声が聞こえた。ハッとしてそちらに顔を向けた。その姿を目に入れた瞬間、反射的に熱いものがこみ上げてきた。  見回り組の男たちは一斉に膝を折り、(うやうや)しく(こうべ)を垂れた。 「フレイン様、お騒がせして申し訳ありません。実は新人の一人が勝手に居住区に踏み込みまして……」 「ありゃ、それはよくないね。でもまあ新人のやったことだ。今回は大目に見てあげたらどうかな。ヴァルハラでの細かいルールはこれから覚えていけばいい」  そう言って兄は、何気なくこちらを眺めた。その青い目に自分が映った。 「……! お前は……」 「兄上、やっと……やっと会えた……」 「…………」 「久しぶり、兄上……」  十一年ぶりだ。本当に久しぶりの再会だった。それだけでアクセルは感激して、その場で号泣しそうになった。  ところが。

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