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第74話*

「兄上……」  アクセルは兄の首筋に腕を回した。そして顔を引き寄せ、ぺろりと唇を舐めてやった。 「おや、もしかして誘ってる?」 「ん……。というか、たまには本能剥き出しのあなたを見てみたい」 「それはまた随分な挑発だね。そんなこと言っちゃっていいの?」 「兄上はいつも理性的だから……こういう時くらい、もっと違う顔を見たいんだ」 「へえ……?」  途端、兄の目がすっ……と細くなった。青い瞳に炎が灯り、ギラリとした欲望がその奥で揺らめく。 「じゃあ、失神しない程度にめちゃくちゃにしてあげる。多少強引にされる方がお前は好きみたいだからね」 「なっ……!? ち、違う! 俺はただ兄上のいいように……!」 「どっちでも同じだよ。私を挑発したからには手加減はなしだ」 「っ……」 「覚悟してね、アクセル」  上着を脱ぎ捨て、同じくシャツ一枚になるフレイン。柔らかな髪を掻き上げ、不敵に笑う兄は、圧倒的な雄の覇気を漂わせていた。  その雰囲気に当てられ、また身体の中心がキュンと疼く。全身の力が抜け、今にもとろけそうになる。 「あ……っ」  するりとスラックスを脱がされ、下着の上から中心を撫でられる。既にそこは十分に膨らみを増しており、布を押し上げ存在を主張していた。 「ふふ、いいね……まだキスしかしてないのにこんなになっちゃってる」 「……悪かったな、はしたなくて」 「いや、ベッドの上ではこの方がいいよ。無反応だと私も困ってしまうからね」 「っ……!」  下着の隙間から手を入れられ、直接シンボルを握られる。そしてゆっくり上下に刺激され、強弱をつけて肉幹を扱かれた。巧みな手淫に翻弄され、先端からぬるりとした体液が溢れてくる。生理的な排泄感と一緒に快感も高められ、あっという間に息が上がっていく。  小さく肩を震わせながら、アクセルは弄ってくる兄の手を掴んだ。

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