74 / 2201
第74話*
「兄上……」
アクセルは兄の首筋に腕を回した。そして顔を引き寄せ、ぺろりと唇を舐めてやった。
「おや、もしかして誘ってる?」
「ん……。というか、たまには本能剥き出しのあなたを見てみたい」
「それはまた随分な挑発だね。そんなこと言っちゃっていいの?」
「兄上はいつも理性的だから……こういう時くらい、もっと違う顔を見たいんだ」
「へえ……?」
途端、兄の目がすっ……と細くなった。青い瞳に炎が灯り、ギラリとした欲望がその奥で揺らめく。
「じゃあ、失神しない程度にめちゃくちゃにしてあげる。多少強引にされる方がお前は好きみたいだからね」
「なっ……!? ち、違う! 俺はただ兄上のいいように……!」
「どっちでも同じだよ。私を挑発したからには手加減はなしだ」
「っ……」
「覚悟してね、アクセル」
上着を脱ぎ捨て、同じくシャツ一枚になるフレイン。柔らかな髪を掻き上げ、不敵に笑う兄は、圧倒的な雄の覇気を漂わせていた。
その雰囲気に当てられ、また身体の中心がキュンと疼く。全身の力が抜け、今にもとろけそうになる。
「あ……っ」
するりとスラックスを脱がされ、下着の上から中心を撫でられる。既にそこは十分に膨らみを増しており、布を押し上げ存在を主張していた。
「ふふ、いいね……まだキスしかしてないのにこんなになっちゃってる」
「……悪かったな、はしたなくて」
「いや、ベッドの上ではこの方がいいよ。無反応だと私も困ってしまうからね」
「っ……!」
下着の隙間から手を入れられ、直接シンボルを握られる。そしてゆっくり上下に刺激され、強弱をつけて肉幹を扱かれた。巧みな手淫に翻弄され、先端からぬるりとした体液が溢れてくる。生理的な排泄感と一緒に快感も高められ、あっという間に息が上がっていく。
小さく肩を震わせながら、アクセルは弄ってくる兄の手を掴んだ。
ともだちにシェアしよう!