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第75話*

「はっ……あ、兄上、ちょっと……」 「ん? 自分で触るより気持ちいいでしょ? もうびしょびしょに濡れてるし」 「っ……」 「お前のことだから、誰かに触ってもらったこともないんだろうね。とっても敏感で反応が早い。免疫がない証拠だ」  そう言うやいなや、一番敏感な先端を指先でグリッと抉られた。強烈な電流が背筋を駆け抜け、びくんと腰が跳ねる。 「あっ、あっ……! だめだ、そんなに強くしたら……」 「イっちゃうかな? いいよ、出して。私もお前がイく時の顔、見てみたい」 「えっ!? ちょっ……! 兄上、待って……!」 「待たないよ。手加減はなしだって言ったでしょ」 「く……っ」  すんでのところで達しそうになり、歯を食い縛って堪える。自分で慰めるならともかく、兄の掌に包まれている状態で熱をぶちまけたくなかった。  兄・フレインは手ですら尊いのだ。それを自分の欲望で汚してしまうのは強い抵抗を感じる。  けれど兄は弟の心情などそっちのけで、限界ギリギリまで攻め立ててくる。  アクセルは力の入らない爪で兄の手を引っ掻き、濡れた目で訴えた。 「兄上、頼むから離してくれ……! このままじゃあなたを汚してしまう……!」 「ありゃ、そんなこと気にしてるの? これからもっと汚れるかもしれないのに……何を言ってるんだろうね、この子は」 「っ……っ! う……んんっ!」 「ほら……遠慮しないで好きなだけ出しなさい、アクセル」 「あっ……いや、兄上……っ、……ああっ!」  とうとう耐えられなくなり、がくんと顎を跳ね上げて熱いものを噴き上げる。溜まっていたものを解放した快感と、憧れの兄に触れてもらえた充足感――それと、ちょっとした背徳感が混ざり合い、得も言われぬ幸福となって全身を満たしていく。 「はぁ……はぁ……あ……」

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