75 / 2202
第75話*
「はっ……あ、兄上、ちょっと……」
「ん? 自分で触るより気持ちいいでしょ? もうびしょびしょに濡れてるし」
「っ……」
「お前のことだから、誰かに触ってもらったこともないんだろうね。とっても敏感で反応が早い。免疫がない証拠だ」
そう言うやいなや、一番敏感な先端を指先でグリッと抉られた。強烈な電流が背筋を駆け抜け、びくんと腰が跳ねる。
「あっ、あっ……! だめだ、そんなに強くしたら……」
「イっちゃうかな? いいよ、出して。私もお前がイく時の顔、見てみたい」
「えっ!? ちょっ……! 兄上、待って……!」
「待たないよ。手加減はなしだって言ったでしょ」
「く……っ」
すんでのところで達しそうになり、歯を食い縛って堪える。自分で慰めるならともかく、兄の掌に包まれている状態で熱をぶちまけたくなかった。
兄・フレインは手ですら尊いのだ。それを自分の欲望で汚してしまうのは強い抵抗を感じる。
けれど兄は弟の心情などそっちのけで、限界ギリギリまで攻め立ててくる。
アクセルは力の入らない爪で兄の手を引っ掻き、濡れた目で訴えた。
「兄上、頼むから離してくれ……! このままじゃあなたを汚してしまう……!」
「ありゃ、そんなこと気にしてるの? これからもっと汚れるかもしれないのに……何を言ってるんだろうね、この子は」
「っ……っ! う……んんっ!」
「ほら……遠慮しないで好きなだけ出しなさい、アクセル」
「あっ……いや、兄上……っ、……ああっ!」
とうとう耐えられなくなり、がくんと顎を跳ね上げて熱いものを噴き上げる。溜まっていたものを解放した快感と、憧れの兄に触れてもらえた充足感――それと、ちょっとした背徳感が混ざり合い、得も言われぬ幸福となって全身を満たしていく。
「はぁ……はぁ……あ……」
ともだちにシェアしよう!