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第76話*

「……いい顔するね。さすが我が弟」 「そ……そんなことは……」 「いやいや、いつも真面目なお前がこうやって乱れる姿は絶品だよ。なまじの美女よりぞくぞくする」 「は……? 美女よりって」 「ああ、深い意味はないよ。お前と違って私はこっちの経験もそれなりだから、比べる対象があるだけ」 「…………」  その言い方が少し引っ掛かった。  もちろん経験ゼロだとは思っていないが、この兄は一体どんな経験を積んできたのだろう。あまり経験豊富すぎてもちょっと……。 「あ……っ」  ぼんやりしていたら汚れた下着を下ろされ、ついに下半身を剥き出しにされてしまった。それが恥ずかしくて脚を閉じようとしたのだが、股の間に入って来られて閉じられなくなってしまう。  兄がほどよく割れた腹筋に手を這わせてきた。 「……ふふ、いい眺め。お前の綺麗な身体がよく見えるよ」 「こ、これくらい、戦士としては普通だ……。一応毎日鍛錬しているし……」 「それもあるけど、お前はもともとスタイルいいんだよね。手足も長いし、尻も小さく引き締まってるし、性器の形もいい。このまま彫刻にして飾っておきたいくらいだ」 「なっ……! なんで、そんなの……はしたないだろ……っ!」 「え、割と本気なんだけど。美術館とかに裸の彫刻飾ってあるじゃない。見たことない?」 「え……?」 「せっかくだからアクセルの裸の彫刻、注文しようかなぁ。家の外に置いておけば、いい目の保養になると思うんだ」 「はあっ!? ちょ、やめてくれよ! 外歩けなくなる!」 「はは、冗談だよ。可愛い弟の裸、世間に晒すわけないでしょ」 「っ……」 「それに、彫刻眺めるより本物を組み敷いた方がいいもんね。この温もり、この息遣い……肉の弾力も、全部たまらないな。美味しそうで涎出ちゃいそうだよ」 「あう……」  真顔でそんなことを言われ、アクセルはかあっと頬を赤くした。  なんでこの人はそういう恥ずかしい台詞を次から次へと口にできるんだろう。聞いているこっちの身がもたない。

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