83 / 2002

第83話*

「ひあっ!」  瞬間、全身にビリッと大きな電流が走った。びくんと大きく腰が跳ね、爪先まで甘い痺れが広がっていく。今までにない感覚だった。 「あっ、あっ! なに、そこ……あぁっ!」 「ふふ、気持ちいい? ここ感じるよね。もっといっぱい乱れてみせて」 「そんな……あっ、んんッ! やっ、あ……あぁ!」  身体がびくびく跳ねて止まらない。指先が引きつり、背筋からぞくぞくしたものが這い上がってきて、嬌声が抑えられなくなった。肌がより熱く敏感になり、ほんの少し触れられただけで身体全体が仰け反りそうになる。 「あ、兄上……俺、なんかおかしい……っ」 「おかしい? 何が?」 「わからな……でも、なんか変……っ! どうしよう、俺……!」  泣きそうになって兄を見上げたら、兄は至極満足げに微笑んできた。 「いいんだよ、お前は何もおかしくない。当たり前の反応を示しているだけだ」 「でも……っ! お、俺、これからどうなるん……」 「気持ちよくなるだけさ。……さあ、そのままお兄ちゃんに身を委ねてごらん」 「あっ、だめ……兄上、これ以上は……!」  ぶるぶる太ももが震え、排泄感が高まる。絶頂の気配が近づいてくる。  だけど今回は、一度目とは比べ物にならないくらいの快感があった。頭のてっぺんまで甘い痺れに満たされて、今にも理性が吹っ飛びそうな感覚さえある。  このまま理性が飛んだら、俺は一体どうなってしまうんだろう……。  未知の恐怖と底なしの快感に呑まれ、アクセルは泣きながら兄に縋り付いた。 「ああ……兄上、怖い……!」 「……怖い? 私が?」 「違う……よすぎて怖いんだ……! 気持ちいいのに、変で……頭おかしくなりそう……」 「ああ、なるほどね……」  一番奥をずん、と突き上げられて、小さな呻き声が漏れた。  そのままゆっくり腰を動かしながら、兄が耳朶を食んでくる。そして鼓膜に直接吹き込むように、こう囁いてきた。

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