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第84話*

「……怖がることないよ。お前を抱いているのはこの兄だ。お前はそのまま快楽に溺れてしまえばいい」 「っ……!」 「ほら、もっと喘いでみせて。苦しみの中から生まれる幸せな快楽……一緒に感じよう?」 「う……んんっ」  肉棒と襞を馴染ませるように、ゆるゆると刺激される。激しい突き上げの合間に、こうやって優しく内襞を擦られるとたまらなくよかった。アクセルの男根も完全に勃ち上がり、濡れた先端が腹につきそうになっている。 「あ、あぁ……っ! 俺、もう……んっ」 「限界かな? いいよ、一緒にいこうか」 「あっ……、んんッ!」  上から口を塞がれ、アクセルはくぐもった悲鳴を上げた。瑞々しい唇を食まれ、逃げ回る舌を引きずり出され、口内にたっぷり唾液を注ぎ込まれる。  その間にも休みなく腰を動かされ、腹の奥を突き上げられたかと思うと、繊細な襞をぐりぐり刺激される。 「ん、うっ……んん……っ!」  喘ぐ側から濃厚なキスを見舞われ、呼吸すらも上手くできず、だんだん意識が朦朧としてきた。熱くて苦しくて、でも気持ちよくて、無意識に兄の欲望をきゅうっと締め付けてしまう。 「ああ、いい……」  兄が心地よさそうに呻いたのを聞いて、アクセルの背筋にぞくりと快感が走った。絶頂の気配を感じ、中心に溜まった熱が外を目指して溢れ始める。 「んっ、んっ……んん――ッ!」  とうとう我慢できなくなり、アクセルはびくんと身体を跳ねさせた。腹の間で灼熱が弾け、濃厚な遺伝子が胸元まで飛び散る。身に余る快感に一瞬意識が飛びかけ、その後もだらだらと精液を吐き出し続けた。  一拍遅れて兄の熱も中で爆ぜ飛び、腹の奥にじわりと何かが広がっていく。 「はっ……あ……あに、うえ……」  ようやく唇が離れ、開いた口で荒っぽく呼吸していると、兄が満足げに微笑んできた。 「……アクセル」  ちゅっと音を立てて唇にキスされる。ずるりと名残惜しそうに腰を引かれ、ようやく腹部の圧迫感がなくなった。

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