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第87話*
――これが性愛なのか……。
なんとなくわかった。好きな人と肌を合わせるのがどういうことか。
嬉しくて、気持ちよくて、心の底から満たされる。普通の生活をしていては味わえない、特別な幸せだ。それを享受できただけで、ヴァルハラに来てよかったなと思える。
でも後で掻き出さないとな……と考えていると、唐突に浴室のドアが開いた。びっくりしていると、兄が当たり前の顔をして入って来た。
「兄上!? なんで入ってくるんだ!?」
「なんでって……いいじゃない。私も湯浴みしたかったもん」
「それはいいが、入浴というのは一人ずつ順番にだな……」
「細かいこと気にしないの。今更恥ずかしくもないでしょ」
「そういう問題では……」
「あ、もう身体洗った?」
戸惑う弟を無視し、兄がこちらに迫ってくる。腰に手を回され、抱き寄せられたかと思うと、もう片方の手で尻の割れ目を探られた。
「ちょっ、やめ……ひ……っ!」
指先で秘蕾を再び刺激され、びくっと肩が跳ねる。わざわざ力を入れて閉ざしていたのに、入口を直接押されたことで、ふっとそこが緩んでしまう。
途端、中に出されたものがとろりと漏れてきて、アクセルの太ももを伝ってつー……と床に滴った。
「ありゃ、まだ洗ってなかったか。出てきちゃった」
「あああ……兄上、離してくれ……! こんな、はしたない……!」
「そう? 私にはとってもエロく見えるけど。普段慎ましいお前が粗相するなんて、滅多に見られるものじゃないし」
「っ……!」
あまりに生々しい台詞に、顔から火が出そうになった。
この兄はこんなに綺麗な顔をしているくせに、口にする言葉が時々変態っぽくて困る。
「あっ、あっ……!」
そのまま、ずぷ……と指を入れられ、遠慮なく中を掻き回される。兄を受け入れたばかりだったので特に抵抗なく根本まで入ってしまい、中の残滓も一緒に襞に擦り付けられてしまう。
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