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第89話*

「……さっき受け入れたばかりだもんね。そこまで慣らさなくても平気だよね?」 「う、嘘……!? 兄上、待っ……あああっ!」  止める間もなく一気に最奥を貫かれ、アクセルは悲鳴を上げて仰け反った。その刺激が自分には強すぎて、一瞬気が遠くなった。臍の下まで硬いものを挿入された感覚があり、腰を回されながら肉筒をゆるりと抉られる。 「あっ、あっ……あああ、あ」 「ああ……ほんとにいい気分……。ずっとこうしていたくなっちゃう」 「あっ、ん……! ああ、そこ……そんな、強く……いっ!」 「ねえ……アクセル、どう? 大好きなお兄ちゃんに串刺しにされる気分は?」  唐突にそんなことを聞かれ、アクセルははたと兄を見つめた。二度目にもかかわらず、その情欲は衰えるところを知らず、特徴的な犬歯が微笑んだ唇から覗いている。  ――兄上……。  綺麗で優しくて時々ちょっと意地悪で、お茶目で可愛いところもある、大切な兄。幼い頃からずっと憧れ、早く追いつきたいと願っていた。  そんな人が、自分をほぼ対等な相手と認めて、剥き出しの欲望をぶつけてくる。弟だからと遠慮することもなく、やりたい放題に自分を抱いている。  それは何か、とても幸せで誇らしいことに思えた。  アクセルは口角を上げると、あえて挑発的に微笑んでみせた。 「最高……っ」 「……それは何より」  兄は持ち上げた片脚のふくらはぎにキスすると、ゆっくりと腰を引いていった。ここからまた激しく突き上げられるのかと思っていたので、少し拍子抜けした。  力が抜けて浴室に座り込んでいると、兄にやんわりと体勢を変えられてうつ伏せに押さえ込まれてしまう。  訝しげに首を捻り、肩越しに兄を見やる。 「……兄上、なに……」 「うん、せっかくだからもっと奥に入れちゃおうかと」 「は? ……え……?」  困惑していると、兄に細腰を掴まれて尻だけ高く抱え上げられる。そして、溶かされた秘蕾に灼熱の肉槍を押し当てられ、アクセルはびくっと肩を震わせた。

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