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第103話
「それで、兄上と一緒に暮らすには具体的に何位になればいいんだ?」
「ええと……何位だったかな? その辺のことはもうちょっと詳しい人に聞いた方がいいと思うけど」
「……まあそうか。ジーク様にでも聞けばわかるか」
他愛のない話をしながら朝食をとり、片付けをした後二人で世界樹に向かった。ランキングが書かれている掲示板、今後の死合いスケジュール、見回り等の当番予定がズラッと張り出されている。
ケイジが言っていた通り、兄・フレインのランキングは七位に下がっており、代わりに四位のユーベルや五位のジークがそれぞれひとつずつ繰り上がっていた。
――確かに、上位七名は全くメンツが変わっていないな……。
七人の中でランキングを入れ替えているだけ、という印象だ。兄の言っていた通り、一位と二位はともかく、三位~七位の戦士は実力的にもほとんど差がないのかもしれない。
「ねえアクセル、見て」
兄が掲示板の更に下を示してくる。七位から下に視線を移動させ、三〇番代を見た時、自分の名前を発見した。
「三十五位……」
「ふふ、また上がったね。おめでとう」
パチパチと兄が軽い拍手を送ってくる。目標にはまだ遠いが、四〇番代から三〇番代に上がっていてホッとした。
「ア・ク・セ・ル!」
突然後ろから飛びつかれ、思わず前につんのめった。チェイニーが上機嫌に話しかけてきた。
「おはようアクセル! またランク上がってたね! 三十五位おめでとー!」
「あ、ありがとう……」
「あ、でもそんなにランク上がっちゃうと、もうタメ語で話せなくなっちゃうかな。『様』とかつけた方がいい?」
「いや、そのままでいいよ。『様』なんて柄じゃないし、今更かしこまられても調子が狂う」
「へへ、じゃあ遠慮なく。アクセルはランク上がっても全然威張らないから好き」
「そりゃあ、俺は俺だし……」
しかし中には、ランキングが上がった途端下位ランカーにムチャ振りしてくる戦士もいるらしい。今の上位ランカーは――兄を筆頭に、人格者が多く揃っているが、かつてはランキングを盾にやりたい放題やってくる者もいたという。
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