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第133話*
「……ッ!」
不意に、熱い切っ先を足の奥にあてがわれ、アクセルはびくっと肩を震わせた。
――えっ……もう!?
まだあまり慣らされていないのに、こんな状態で突っ込むつもりなのか? 昨日が初体験だった人に、いくらなんでも早すぎるのでは……。
「兄上、ちょっと待って……」
「待たないよ。優しくしないって言ったでしょ」
「で、でもまだ準備が……」
「……昨日は優しくした。それでわからないってことは、ひどくしないとだめってことだろう?」
「そんな……」
「ごちゃごちゃ言われるのもうるさいから、これでも噛んでなさい」
「むぐっ……」
自分の下着を口に突っ込まれ、呻き声しか上げられなくなる。相手が兄だけに強く拒否することもできず、アクセルは涙目になりながら彼を見上げた。
どうにか思い止まってくれないかと淡い期待を抱いたが、兄の目を見たらそれもあっけなく霧散してしまった。青い目の奥で、どろどろした哀しみが燃え盛っているのが見えてしまったから。
「うう……」
ぐぬ、と先端を押し当てられ、アクセルはぐっ……と歯を食い縛った。
大好きなのに。好きで好きでしょうがないのに。お互い、愛し合っていることはわかっているはずなのに、こんな風にすれ違っていることが辛い……。
「っ……っ、うっ――っ!」
凄まじい衝撃と共に灼熱の楔が体内に打ち込まれた。声にならない悲鳴が迸り、目からぶわっと涙がこぼれ落ちる。
思ったよりずっとひどい。耐え難い苦痛に顔が青くなり、反応しかけていたシンボルが痛みに萎れていく。下着を口に詰め込まれていなかったら、勢い余って舌まで噛み千切っていたかもしれない。
「……うっ、ぐっ! んんっ、ん!」
痛みに震えているにもかかわらず、兄は容赦なく腰を動かしてきた。
敏感な箇所をゴリゴリ抉られ、何度も腰を叩きつけられていくうちに、苦痛と快感の境界線が曖昧になってくる。流している涙も生理的なものには違いないが、それが悲しいのか気持ちいいのか、よくわからなくなってきた。
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