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第136話*

「だけど……だけど、そう指摘されたところで、いきなり自分に自信が出てくるわけじゃない……。兄上にコンプレックスを抱いているのは本当だし……この不安だってすぐには消えない……」 「アクセル……」 「俺……一体どうしたらいいんだ……」  また泣きそうになり、鼻をすすり上げる。  自己嫌悪にまみれ、兄の顔もまともに見られなくなった時、後ろからくしゃ、と髪を撫でられた。 「比べるのをやめればいいだけじゃない?」 「……え?」 「私は私、お前はお前でしょ。兄弟とはいえ全然違う人間なんだから、それぞれに優れた面や劣っている面があって当たり前なんだよ。それを比較してあれこれ思うなんて時間の無駄さ」 「でも……」 「だいたいお前、私にコンプレックスがあるって言ったけど、そんなこと言ったら私だってお前のこと羨ましいと思ってるし」 「えっ!? どこが!?」 「どこって……いろいろあるよ。一番いいなと思うのは、素直で誠実で誰にでも優しいから敵を作りにくいところかな。それなりの人に恨まれてる私とは大違いだ」 「そん……んう……っ!」  首筋に手を添えられ、強制的に振り向かせられて、唇を塞がれる。舌を差し込まれ、粘膜を吸われ、甘い唾液を注ぎ込まれて、ひくんと身体が震えた。 「……今日のあの三人への対応、見事だったよ。私だったら、全員締め上げた後に首を斬っていたと思う。私ができないことをいとも簡単にやってのける……。そんなお前だから、愛しくてたまらなくなるんだ」 「んっ、んっ……んんぅ……」  面映ゆい褒め言葉に、下半身がきゅんと疼いてしまった。体内に刺さった肉棒を無意識に締め付け、びくびく腰が跳ねてしまう。 「……敏感に反応してくれるところも好き。初心で恥ずかしがり屋なところも好き。そのくせ快感に弱いところも全部好きだよ」 「ん……う、あっ」  柔らかな舌を引きずり出され、唇で軽く食まれた後、ようやく口を解放される。  呼吸が乱れて荒っぽい息を吐いていたら、不意に兄がにこりと微笑んできた。そしてガツンと一際強く腰を叩きつけられる。

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