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第168話*
「あっ、あっ……ああ、あ……んっ」
強く身体を揺さぶられ、身に余る快感に背中が反りかえり、しがみついている腕がぱたりとベッドに落ちる。それを恋人のようにぎゅっと握られ、また胸がキュンと疼いた。
「はあ……あ、兄上……」
「うん……やっぱりお前と一緒にいると楽しいな。私とは全然違うから、いつも新たな発見がある。実の兄弟として育ってきても、まだ知らないところがいっぱいあるね」
「お、俺も……あなたのこと、もっと知りたい……。本気で斬り合ったら、どうなるか、とか……」
「うんうん、私も今のお前と本気で死合ってみたいな。今の実力なら、きっととても楽しい勝負になるだろうね」
「んっ……」
ぐぐっ……と腹の底を突かれ、反射的に兄の手を強く握り返す。
快感にとろけながら、アクセルは昨日の死合いを思い出した。兄・フレインとランゴバルトの壮絶な命のやり取り……。
「俺……ランゴバルト様が、羨ましい……」
「おや、そうなの?」
「だって……兄上と死合えるなんて、こんな贅沢なこと……ない、から……っ」
真上から微笑んでくる兄に、アクセルは正直な気持ちを吐露した。
「俺もあんな風に戦いたかった……。俺も兄上と死合いたいのに……そのために毎日鍛錬してるのに……あれ以来、一度も兄上と戦えていない……。ヴァルハラでなければ絶対に叶わないことなのに……どうしたら兄上と……」
「そうだね……。死合い相手を指名できればいいのに……」
額にキスされ、軽く頬を撫でられる。
「そうしたら、お前のこと指名して滅多切りにしてやるのに」
「……滅多切り、なのか……?」
「あ、もちろん今の実力ならそう簡単には斬らせてもらえないだろうけどね。でもお前を斬るのも、お前を抱くのと同じくらい好きなんだ」
「え? ……うっ!」
一番感じる場所をゴリッと抉られ、息が詰まる。
兄は嬉しそうにゆるゆる腰を動かしつつ、手を握りながら囁いてきた。
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