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第169話*
「好きだから、全てが欲しくなる。肉を斬り、血を舐め、骨をしゃぶり、その命を全部味わいたい。そういう意味では、死合いも閨事も同じだよ」
「そ、れ……ミューも似たようなこと、言ってた……んっ」
「ああ、彼には昔そんなことを話したことがあったかな。私と違って、ミューは記憶力がいい」
「ひンッ!」
兄が覆い被さってきて、より一層挿入が深くなった。腰に脚を絡め、手を握り、濡れた目で兄を見上げる。
「ああ、あっ……兄上ぇ……!」
「そう、その調子。私だけを見て、私だけを感じて、私だけのものになりなさい。これが二人だけの世界だよ……」
「っ……あ、あ……あぁん!」
腰の動きが大きくなる。アクセルの感じるところは逃さず、強弱をつけながら、これでもかと刺激を与えられる。
――死合いも閨事も同じ、か……。
改めて、そうかもしれないと思う。互いに互いのことしか見えず、互いの全てを曝け出し、受け入れる。そこから得られる快感は何物にも代えがたい。
だからこんなに幸せになるのかもしれない……。
「兄上……兄上、好き……!」
「うん、知ってる。私も愛してるよ……可愛いアクセル」
「あっ……! あ、だめ……俺また……!」
気持ちよすぎて、思考も霧散しつつある。
びくびく痙攣する身体を押さえ込まれ、ほとんど身動きできないまま、ひたすら犯され続けた。下肢の排泄感も限界まで高まり、我慢しきれず再び声にならない悲鳴を上げる。
「っ、っ――ッ!」
「んっ……」
兄との間で昂ぶりが弾けるのと同時に、身体の奥で兄の熱が広がっていった。二度目とは思えないほど大量の精液を注ぎ込まれ、さすがに下腹部が張ってきた。
「は……あ、はあ……」
ずる……と肉棒を引き抜かれた途端、緩んだ後孔からとろりと白濁が漏れる。こらえる力もなく、ぐったり身体を投げ出したまま、荒っぽい呼吸を続けた。
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