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第172話*
「兄上、ずるい……っ!」
「ふふ、お前はいじめ甲斐があって本当に楽しいよ」
そう言って、兄がずず……と体重をかけてくる。
「あ、……うんん……ッ!」
もう限界だと思っていたアクセルの秘蕾は、思った以上にあっさりと口を開け、兄を美味しそうに根本まで飲み込んだ。
奥を突かれる度にぐちゅ、と濡れた音がして、腹の中がねっとりと重くなっていく。官能の汗ではなく変な脂汗まで滲んできて、快感と同時に苦痛もこみ上げてきた。
「い、う……っ、兄上、苦し……!」
「ああ、すごい……。お前の中、私の熱でいっぱいになってる。本当にお腹いっぱいだったんだね」
「だ、だからそう言って……ひぃ……ッ!」
喘ぎ声というより、かすれた悲鳴だった。眉間にシワが寄り、苦痛をこらえるために必死に奥歯を噛み締める。目からぽろりと涙がこぼれたが、それが苦痛なのか快感なのか、アクセルにはわからなかった。
「うう、あ……ああっ……く」
「快感に悶えているお前も好きだけど、苦痛に耐えているお前も好きだな。見てるとなんだかぞくぞくするんだよね」
「う……こ、の……ドS兄上……っ!」
「ふふ、そうみたい。私も今まで気付かなかった」
「んん……ッ」
ばちゅん、と腰を叩きつけられて腹部の圧迫感が増す。
「お前がこっちに来る前は、誰と寝ていてもこんな意地の悪い気持ちにはならなかったんだけどね。お前といると、いろんな私を暴かれてしまうみたいだ。意外とSっ気があるとか、意外と独占欲があるとか」
「確かに……生前は、こんな風じゃなかったと……あっ」
「生きてた頃は、穏やかで優しいお兄ちゃんだったでしょ? もちろん今でもそのつもりだけど……でも、こうやって、本能を剥き出しにして抱き合う時くらいは、本性を出すのも悪くないかな……って」
「ああっ!」
そのまま何度も最奥を抉られ、苦痛と快感の狭間で悶絶した。
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