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第177話*(リバ注意)

 ――俺の身体をよく褒めてくれるけど、兄上だって……。  バランスよく鍛えられた美しい肉体をしている。もともと長い手足はもちろんだが、筋肉の付き方も綺麗で惚れ惚れした。裸を見るのは初めてじゃないのに、こうして触れていると改めてその美しさを実感する。 「兄上……」 「うん……?」  密着している兄が額をくっつけてくる。見慣れているはずの美顔だったが、今日はいつもより色っぽく見えた。頬がほんのり紅潮し、瞳が涙で潤んでいる。 「あなたは、本当に美しいな……」 「ふふ、そう……? そう言ってくれる人はたくさんいるけど、お前に言われるのが一番嬉しいね」 「っ……」  軽くキスされ、柔らかな微笑みを向けられる。ズキンと身体の芯が疼き、自分の中心が天井に向かって反応したのを感じた。  それと同時に、獣じみた乱暴な気持ちがふつふつとこみ上げてきた。 「あっ……兄上、これ以上はやっぱり……」  首筋に絡み付いている兄の腕をとり、密着している身体を遠ざける。 「……なに? そんなに私を抱くのは嫌なの?」 「そ……じゃなくて、優しくできそうにない、から……」 「だから、そんなこと気にしなくていいって」 「そういうわけにはいかない……! セックスは愛情を確かめ合う行為なんだろ……? 自分勝手な欲望をぶつけることじゃない……。あなたが最初にそう教えてくれたんじゃないか……」 「それは……」 「すまない、兄上……。俺、このままじゃ頭おかしくなりそうで……」  今更ながら、兄の精神力を思い知る。優しくするのがこんなに難しいなんて知らなかった。最初はどうにか我慢できたとしても、愛しい者の痴態を目の前で見続けていたら、理性など簡単に吹き飛ばされてしまう。  こんな調子じゃ、まともに抱くことなどできやしない。 「……ねえ、アクセル」  兄が再び身体を密着させてきた。眉尻が下がり、悲しげな顔をしていた。 「私がどんな経験してきたか教えてあげようか」

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