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第253話*

「……こんな俺でいいのなら、側にいさせてくれ……ずっと」  そのまま首に腕を回して抱きついたら、兄もしっかり抱擁を返してくれた。 「うん、もちろん。ヴァルハラが滅ぶまで……いや、滅んでもずっと一緒だよ」 「ああ……ずっと一緒に……」  抱き締め合って、見つめ合って、再び口付けを交わした。ただ触れ合うだけの軽いものから、小鳥が啄むようなキスも、ちょっと長い大人のキスもたくさん味わった。唇が触れる度に心も直接触れ合っているようで、アクセルはこの上ない幸せを感じた。 「ねえ、アクセル」 「ん……?」  至近距離から話しかけられてぼんやりと返事をしたら、服の上からいきなり股間を撫でられた。思わず小さく肩を震わせ、驚いて兄を見やる。 「あの、兄上……」 「仲直りしよ? お互いの気持ち、全部曝け出そう?」 「…………」 「いいよね、アクセル?」  ダメなわけがない。兄にしてもらえるなら何だって嬉しい。一度は本気で嫌われてしまったかもと思っていた分、仲直りのチャンスを与えてもらえるのは純粋に喜ばしかった。  アクセルは目元を赤らめながらも、小さく頷いてみせた。すると兄は満足げに微笑み、弟の手を引いてベッドに誘ってきた。  お互い丁寧に服を脱がせ合い、下着一枚になったところで兄がこちらに馬乗りになってくる。真上からまじまじと身体を見つめられ、少し気恥ずかしかった。 「やっぱりお前の身体はいいね。綺麗に鍛えられている。何度見ても飽きないな」 「いや、そんな……兄上だってスタイルいいじゃないか」 「そう? ありがとう。でも個人的には、自分よりもお前の身体の方が好きなんだよね」 「あっ……」  兄が下着越しに尻に手を這わせてくる。手のひらを滑らせて太ももまで撫でられて、反射的に周辺の筋肉がキュッと縮まった。 「特に、お尻から太ももにかけて。ここがすごく好きなんだ。形よく引き締まってるし、弾力があって触り心地もいい。ずっとこうしていたくなっちゃう」 「そ、そうか……」  兄は尻フェチなんだろうか……と妙なことを考えつつ、アクセルはふと兄の顔を見上げた。

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