271 / 2014

第271話*(リバ注意)

「っ……」  ようやく顔を離したら、お互いの唇を銀の糸が繋いでいた。目元を赤らめ、色気を剥き出しにしている兄の表情が見える。思わず首筋に顔を近づけて白い肌を軽く吸ってやったら、その部分だけ赤く充血した。  兄が小さく笑う。 「ふふ、こんなところにキスマークつけてどうするの? みんなにバレちゃうよ」 「ハイネックの服を着てくれ。なければ布を首に巻こう」 「ははは、何それ。見せびらかすためにつけたんじゃないの?」 「いや……今更見せびらかさなくても、俺の兄上ってことは変わりないし」 「それは独占欲? お前、意外とヤキモチ焼くねぇ」 「……そりゃあ、時には嫉妬することもあるさ。兄上が他の男と寝たりなんかしたら、特にな」 「もう……だからそれは浮気じゃないってば」 「わかってるけど、気持ちの問題だ」 「っ……」  壁に兄を押し付け、腰から手を滑らせて服の上から丸い尻を撫でたら、兄がぴくりと身震いした。  兄は自分の尻や太ももを気に入ってくれているが、兄だってかなり触り心地のいい尻をしている。引き締まって小さいけど尻たぶ自体は柔らかいし、尻と太ももの境目もくっきりしており筋肉特有の弾力を感じた。尻フェチではないつもりだが、何だか癖になりそうだ。 「もう、いつまで触ってるの……エッチ」 「だめか? 兄上も俺に似たようなことしてくるが」 「そうだけど、自分がやられるのは久しぶりだからちょっと変な感じ」 「ジーク様はここまでベタベタ触らなかったのか?」 「触らなかったなぁ……。彼はあくまで『慰め』として割り切ってたから。愛撫とかそういうことはしてこなかったんだよね」 「……それはよかった」  アクセルはもう一度兄の首筋に唇を這わせると、今度は痕が見えづらい髪の生え際にキスを落とした。こうして好きな人の身体に痕をつけると「自分のものだ」という優越感に浸れる。これまた癖になりそうだった。

ともだちにシェアしよう!